結局、私と金元弼さんだけが残ったのです。
☆
真のお父様と草創期ともに歩まれた
玉世賢(オクセヒョン)ハルモニの証しです。
お父様が興南の刑を受けて、
そこに訪問に行かれたときの様子です。
(「証言」から引用していますが、一部編集しています)
☆
先生は結局、五年の刑を宣告されました。
裁判が終わった後に、私は先生に庭に出てきていただいて、
準備していった昼食を差し上げました。
そのとき、手首に手錠をかけて歩かれる先生の後について歩いたのです。
引かれて行かれる先生と別れる私の心を
どのように表現することができるでしょうか。
再び上告しましたが、減刑されませんでした。
そのとき、三十数人の食口たちは皆、離れていきました。
「天から送られた人だと思ったのに、そうではなくサタン側の人だ」
と言い、自分たちは先生にだまされたと恨んでいました。
結局、私と金元弼(キム ウォンピル)さんだけが残ったのです。
その後、先生は保安署から平壌(ピョンヤン)刑務所に移動させられ、
さらに一か月後に興南(フンナム)刑務所に移られました。
面会に行くことができずに心配していたところに、一か月ぶりでしょうか、
面会に来るようにという手紙が先生から来たのです。
準備して夜汽車に乗り、一晩かけて行きました。
平壌から興南までは約400キロの道のりです。
普段の生活で外出しなかった私が、昼にではなく夜、
興南まで行くということは並大抵のことではありませんでした。
しかし、先生が興南で苦労していらっしゃるので、
勇気を出して尋ね回り、翌朝、興南駅に到着しました。
夕方になると、青い囚人服を着た囚人たちが、
一列に四十数人ずつつながれて、歩いて帰ってきました。
先生のお姿を拝見すると、
言葉では表すことができないくらいうれしかったのですが、
同時に息が詰まるようでもありました。
先生を自分の甥だと言って面会申請をすると、
しばらくしてから、先生は看守に引かれて出てこられました。
そして先生は、「食口たちは元気でいるのか?」と尋ねられたのです。
私は安心していただくために、「皆、元気でいます」とお答えしました。
横に看守がいたので、あまり話すことができず、
準備していったもち米の粉を差し上げて出てきました。
私は、その日の夜は旅館で休み、翌日早く出かけて先生にお会いして、
夜の汽車に乗りました。汽車の中で、深い山あいの監獄で
苦労されている先生のことを考えると、涙が目にあふれ、
悲しみを抑えることができませんでした。
☆
お父様が興南を解放され、食口たちを求め
40日間平壌に留まった時にも
わずかな食口しか探すことができなかったし、
共に南下していく人はほとんどいなかったと
そのような証しを以前紹介しました。
(自叙伝にも書かれています。)
お父様が38線を越え、
北朝鮮に渡り、命がけで伝道をしたにも関わらず、
お父様が刑を受けた時すでに、
玉世賢ハルモニそして金元弼先生しか
残らなかったというのです。
しかし、2000年前のイエス様を思えば、
誰も最後まで支えてくれる者はおらず、
十字架につかざるを得ない状況だったのですから、
興南という十字架に匹敵する路程で、
お父様にとって見れば、この二人の先生の存在というのは、
どれほどありがたかったでしょうか。
お父様は、過酷な興南収容所の期間、
食口たちの名前を、日に3度祈り続けられたといいます。
また、遠い400キロの道のりをかけて訪問された
玉世賢ハルモニの姿を見つけたお父様は
どれほど嬉しかったか知れません。
玉世賢ハルモニは、黒髪で編んだくつ下を差し入れた
ということでも有名です。
そのくつ下で、お父様は寒い冬を乗り切ることができたといいます。
☆
今日、平和経を訓読していたら、
お父様がちょうど北朝鮮に行かれた時の
講演文でした。
ご自身の愛する姉妹や親族に会ったその喜び以上に
同じ立場にいる同胞を思い、胸が痛くなったといいます。
どこまでも公的無私なる歩みをされ続けた
真のお父様の姿があったのだと思います。
また、そのような心情を完全に相続しているのが
まさに真のお母様であることを
私たちは忘れてはならないと思います。
※ このブログは、
あくまでも個人において、書いているものであり、
教会本部とは一切関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、ブログの記事においては
無断転載はお断りいたします。
曲解や悪用ととれる引用も、
差し控えてくださいますよう
よろしくお願いします。
(もちろん、善なる目的で
使用することに関しては
その限りではありません)
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