ロニヨン千鶴子さんの証し
続編です。
☆
それからは、「統一原理」の講義を聴くためにそのアパートに通うようになり、
その講義を聴くたびに私の心霊は高まり、喜びに満ちあふれていくのでした。
この喜びをだれかに伝えたくなり、
寮生の姉妹たちや教会の親しい友達などに語りました。
ある日、祈りのグループの中で、熱心な一人の下級生を見つけて、
西川先生のいる所に連れて行きました。
この男子学生は「統一原理」を聞くと、とても感銘を受けたのでした。
それからは、彼も西川先生の所に通いながら
カレッジの中でも友達に証ししたり伝道したりしていました。
☆
ある日のチャペルでのことでした。
全校生が一堂に集まるチャペルでは、
普段は外部から牧師や宣教師たちが招かれて説教があるのですが、
この日は祈祷会が行われることになりました。
祈祷会では、だれでも導かれるままに祈ることができるので、
その日は数人が祈ったのですが、
その後、彼が突如、大声で祈り始めたのです。
「御父上! 御父上!……。
アダム、エバの堕落により罪悪六千年の歴史……」
という祈りから始まって、「堕落論」、「救世論」というように、
「統一原理」の講義のようなお祈りが延々と続くのです。
私は身の縮むような思いでいっぱいでした。
この出来事によって、統一教会のことが
学校じゅうにいっぺんに知れわたりました。
異端が入って来たということで、
クリスチャン・カレッジではそのことが大問題になったのです。
そこで、西川先生が学校に行って、学校側と話し合ってくれたのですが、
結局、受け入れてもらえませんでした。
クリスチャンにとって再臨のメシヤの到来は、
天地が引っ繰り返るほどの出来事でした。
☆
この時から、私の葛藤が始まりました。
学校の教師、宣教師たちから、
また教会の牧師や友人たちからの説得が始まったのです。
「間違った方向に行ってはならない」とか、
「偽預言者に警戒せよ」と懇々と言われたのでした。
すると、あの西川先生は偽預言者であるというのだろうかとの思いが、
一瞬、胸をよぎりましたがすぐに打ち消しました。
聖書には「木はその実を見れば分かる」という聖句があります。
統一教会の西川先生を囲む素晴らしい兄弟姉妹たち、
増田勝さん、松本道子さん、小河原節子さん(現、桜井夫人)、
岩井裕子さん(現、神山夫人)、小室宏之さん、別府美代子さん、
それらの人たちは、私の目には美しい天使の群れのように輝いて見えました。
☆
私はとにかく天に祈って解決しようと決意しました。
私にはもう捨てるものが何もありませんでしたので怖くもありません。
ただ、この統一教会が本物であるのか異端であるのか、
それだけが知りたかったのです。
ちょうど春休みに入り、同室の寮生たちが皆、故郷に帰ったので、
私は独り真剣に神様に向かうことができました。
「天のお父様! イエス様! どうか答えてください!」
今まで、これほど苦悶し真剣に祈ったことがあったでしょうか?
それから一週間というもの、真っ暗闇の中にいるような心境でした。
祈って祈って疲れては眠り、また起きて祈り続けたのです。
朝になったのか夜になったのか、
まるで分からないような状態でした。
☆
一週間くらいたった時でしょうか。
祈っていると、イエス様の静かな声が私の心に入ってきました。
「この道を行きなさい」と。
その声に応えるように私が自分の意志で、
この道を行くことを決意して天に祈った瞬間、
私の心に変化が訪れました。
今まで闇に覆われるようであったのが、
さっと引いて平安な思いになってきたのです。
霊的な闘いとは実に恐ろしいものであると、
そのときの体験を通して知りました。
私はもう迷いませんでした。
霊的な闘いを終えて立ち上がった私は、
早速、西川先生の所に行き
「私を統一教会に入れてください」とお願いしました。
先生はにっこりと笑ってうなずかれました。
☆
春休みが明けて新学期が始まり、私は最終学年になりました。
そのころも「統一原理」を聞いた私たち三人の学生は、
依然として統一教会に通っていて、
迫害されても負けないで頑張っていこうとお互いに励まし合っていました。
このことを知った学校側は、
私たちを退学処分にしようということに決めたのです。
米国人の学長を中心として教役者たちが会議を開き、
そこに私たちは一人ずつ呼ばれて、信仰告白を迫られました。
つまり統一教会の「統一原理」を信ずるか、
統一教会の信仰を棄てるかという二者択一の問題です。
私たちは、三人とも「『統一原理』を信ずる」と明言したので、
即刻に退学処分になりました。
ところが、私たち三人の中で大声で祈った彼は、
学校側と協力した彼の母親によって精神病院に連れて行かれてしまいました。
また私を統一教会につないでくれたそのクラスメートは、
皆からいろいろと説得されて考え直し、
学校にとどまることになったのです。
結局、私一人が大学を退学することになりました。
その後すぐに、私の母教会としていた高田馬場教会からも、
私のもとに破門状が送られてきたのでした。
☆
この道に来られた大先輩たちは、
本当に激しい苦難の中を
乗り越えてこられたということを
改めて感じさせられました。
特にキリスト教会から
統一教会に来られた方は、
ロニヨン千鶴子さんのように、
破門されるようなことがありました。
イエス様から直接答えを与えられた千鶴子さん。
本当に切実に求められたのだと思うし、
その思いに神様が働かれたのだと思います。
迫害を乗り越えた千鶴子さんは
献身されて開拓伝道していかれます。
続きはまた。。。
※ このブログは、
あくまでも個人において、書いているものであり、
教会本部とは一切関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、ブログの記事においては
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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