あっという間に10月に入りました。
明日は、日本の家庭連合(統一教会)
創立記念日になります。
1959年に最初に礼拝が行われたので、
58周年になりますね。
初期に入教された増田勝先生が、当時の証しをしておられます。
3回に分けてお伝えしたいと思います。
今日は、最初の礼拝の少し後になりますが、
増田先生と西川先生との出会いの話です。
☆
崔奉春宣教師との出会い
崔奉春宣教師との出会い
大学では「聖書研究会」に所属した。
その頃は棄教をおおむね決めていたので、足が遠のいていたが、
1959年12月、無意識に部室を訪ねた。
部室では、熱心にある男性が「聖書研究会」の部長に語りかけている。
私はその男性の後ろに座し、30分ほど話の内容を聴いていた。
会話の途切れた合間に、その男性の後ろ姿に向かって
「神を科学的に証明するとは、どういうことですか?」と、声をかける。
この問いかけに対して、その男性は瞬間的に私の方に振り向き、
「外に出ることができますか?」と、聞いてきた。
12月の冬の寒い日であった。
大学の「聖書研究会」の部室において、名も無い男性と名も無い学生との間で、
熱い火花が飛んでいたと思われる。
この男性こそ、日本に初めてみ言を伝えてくれた
西川勝先生(韓国名、崔奉春宣教師)であった。
☆
部室内ではよく見えなかったが、室外に出ると西川先生は貧しい身なりで、
痛ましく思うほど痩せこけた格好であった。
私から昼食を誘い、学生食堂で食事を食べ、代金を支払う。
食事の間中、西川先生はどうしても「原理」を聴いてほしいと食い下がってきた。
学生は授業を最優先しなければならないので、時間が取れない。
しばらく押し問答が続いたあと、
「教授の休講の掲示が出ていれば、あなたに従い、お話を聴きましょう」
と、私が提案し、教務室に向かった。
奇跡は起こっていた。
有り得ないことに、二人の教授の授業が突然、休講になっていたのである。
この時は身体に震えが走り、今までとは別の何かを感じて、
下を向きながら西川先生の待つグラウンドに戻った。
西川先生の希望どおり、校外に出る。
山手線の巣鴨駅近くにあった「白十字」という喫茶店で講義が始まった。
☆
喫茶店での出来事
喫茶店での出来事
講義をする前に、西川先生は店内中に響き渡るような大声で祈り始めた。
しかし、切々とした祈りであり、心安らぐ内容であったので
「アーメン」と唱和した。
わら半紙を取り出して(現在のように上質なものではなく、
まさに藁がところどころに混在している代物)万年筆で講義を始める。
だが、文字は書くことができなかった。
今では、ボールペンを使用しているので考えることができない状況であるが、
万年筆にインクが入っていなかったのである。
このことに、どのような意味があったのかは、
当時の西川先生の立たされていた伝道事情を推察しなければならない。
おそらく、いつも誰かにペーパー講義をしたいという気持ちを持ち続けていたはずである。
ところが、インクが切れていることに気づかなかったのは、
長い日時にわたり、ペーパー講義をする人に出会わなかったからではないだろうか?
この事実からも、当時の西川先生の悲しい現実があったことを推し量って、
心から西川先生のその時のご苦労に対して、謝意を表さなければならないと思う。
学生の身にとっては、筆記具は必需品である。
当時は、万年筆がごく一般的であった。
このため最初の原理講義は、私が貸した万年筆で西川先生がされたのである。
キリスト教を棄教しようと決めかけていたが、
この出会いを通して神により深く強く抱き締められるように感じた。
☆
今日まで神の導きを受けて歩んできたが、
我ながら夢の中での自分を見るようである。
以来、不肖の息子のままの姿で教会生活をいたずらに過ごし、
老いの姿をさらす年齢になっている。
この間、あまたの心労を神と真の父母と兄弟姉妹に掛けたことを、
慙愧(ざんき:反省し深く恥じること)に思いながら生活している。
☆
西川先生の万年筆のインクの壮絶な証し、
初めて知りました。
草創期の多くの先輩方は、
そのようにして、食べることもできず、
休むこともできないような環境の中、
命がけで、伝道の歩みをしていかれました。
そのようなご苦労の土台の中に、
今の基盤があることを改めて知ることができ、
大先輩たちに感謝の思いを捧げたいと思います。
明日に続きます。
※ このブログは、
あくまでも個人において、書いているものであり、
教会本部とは一切関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、ブログの記事においては
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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