2019年07月05日

心理学から見た、天使長の「堕落の動機と経路」?! 《大知先生のカウンセリングルーム》



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大知(おおとも)先生の「氏族伝道の心理学」より
「不安と怒りから見た堕落の動機と経路」を紹介します。

 
まずは、具体的に「不安」と「怒り」という観点から、
堕落の動機と経路について、第1章の内容を踏まえ、心理学的に解釈していきます。

『原理講論』の第二章第二節㈡の⑴「霊的堕落」には、
天使長ルーシェルの堕落の動機が、「愛の減少感」という言葉で説明されています。

天地創造の最初から神様のそばで仕えてきたルーシェルは、
神様がアダムとエバに三大祝福を与えられたことを知り、
愛の減少感を感じ、エバを誘惑して堕落した、ということです。

その時、ルーシェルはどんな気持ちだったのでしょうか。
「あぁ、神様は自分なんかどうでもいいんだなぁ。
アダムとエバが居さえすれば、
神様にとっては自分なんかどうでもいい存在なんだ」
と感じたに違いありません。

つまり自尊感情が大きく下がり、孤独を感じた、ということです。

ところで先に、恨みと怨みの違いについて述べました。
では、天使長ルーシェルが愛の減少感を感じたときに、
「恨み」をもったのでしょうか、「怨み」をもったのでしょうか……。

もし、「恨み」を感じたとしたら、堕落は起こらなかったと思います。
「恨み」は、基本的に悲しみの心情ですから、
ルーシェルは神様から愛されない悲しみを感じ、
その恨みを晴らすためには、神様から愛されるか、神様に代わる誰かから
神様と同じように愛してもらわなければならないからです。

そのような恨(ハン)の心情であったならば、
ルーシェルは、神様からさらに愛されるように努力するか、
神様に代わって自分を愛してくれる者を探すしかなく、そして、
神様の代わりになるものがアダムとエバしかいないことがわかり、
アダムとエバが成長するのを待って、
二人から神様から受ける愛と同じ愛を受け、恨を晴らしたでしょう。

しかし、おそらくルーシェルは、愛の減少感を感じた際に、
「怨み」をもったのだと思います。
つまり、悲しみにプラスして怒りをもってしまったのです。

神様がアダムとエバに三大祝福を与えるのを見て、
自尊感情が傷つき、孤独を感じ、自己の存在意義への不安となり、
その不安が怒りに変わったということだったのでしょう。

怒りは破壊衝動ですから、ルーシェルは、
自分を傷つけた神様を傷つけたいと思ったかもしれません。
しかし、神様自身を直接傷つけることはできません。
なにしろ神様ですから……。

そうした時に目に入ってきたのがエバだったのでしょう。
神様から愛を受けるエバは、『原理講論』の「堕落論」にもあるように、
ルーシェルにとっては美しく見えたに違いありません。

しかしそこで、ルーシェルがエバに対して、
本然の愛を感じて接していたのならば、
エバがどんなに美しくても、堕落することはなかったと思います。
本然の愛は、相手の幸福を願うものですから。

しかし、ルーシェルは、怒りをもっていたので、
エバを愛すると同時に
破壊衝動も一緒にエバにぶつけてしまったのだと思います。
そして、堕落が起こってしまった……。

私は最初に「統一原理」の講義を聞いたときに、不思議に思ったことがあります。
それは、ルーシェルがエバを愛しているのならば、
なぜアダムまで堕落させたのかということです。

ルーシェルにとっては、アダムは恋敵になるはずです。
普通考えれば、ルーシェルは、エバと二人でどこかに逃げていき、
二人で暮らそうと思うのではないでしょうか。
でも、エバがアダムに近づいて、時ならぬ時の愛の行為に及ぶのを
ルーシェルは知っていたにもかかわらず、止めようとしませんでした。
それが不思議でした。

でも、このように考えていくと、ルーシェルは怒りをもっていたので、
本当は神様を傷つけたかったのです。
そのため、エバだけでなく、アダムも堕落するのを止めなかったのです。

その結果、神様の創造理想は破壊されました。
そして、ルーシェルは、神様に深い悲しみの傷を負わせたのです。

もちろんルーシェルも被造物ですから、
自身も一緒に破壊されてしまいました。
天使長の本然の位置を離れ、神の愛の主管圏から逸脱し
霊的に死んでしまったのです。
つまり、ルーシェルは今で言う「自爆テロ」を行ったのだと言うことができます。

自爆テロをして死んでいくパレスチナの若者のことを考えてみてください。
彼らは、地上には希望がなく、それは怒りとなってイスラエルに向けられます。
しかし、イスラエルの背後には米国があって、
圧倒的に強いので、どうすることもできません。
そこで彼らは、自分の体に爆弾を巻き、
自分の命と引き換えにイスラエルの人々を傷つけていきます。

ルーシェルも、愛の減少感から来る悲しみの中、
圧倒的な神様に対して怒りをぶつけるために、
神様の最も愛するアダムとエバを堕落させ、創造理想を破壊して、
自らも死んでしまったのです。
神様は、ルーシェルを愛していたにもかかわらず……。

大知 勇治・著
(光言社・刊『成約時代の牧会カウンセリング 氏族伝道の心理学』より)
第2章 心の問題と復帰歴史
不安と怒りから見た堕落の動機と経路


ルーシェルの行為は自爆テロだった。。。
なるほど、わかりやすい表現ですね。

エバを奪い、アダムの位置を奪いましたが、
標的は神様だった。。。

自分を殺してまでも、
神様を憎み、怨む、そして、神様の創造した世界を
根底から崩した、すごい破壊性です。
その堕落性は今の私たちにも受け継がれています。

今の人類が抱えている問題が、
堕落の血統にゆえに起きた問題である、
そのことを私たちのみならず、
全ての人たちに認識していただかないといけない、
そんな風に思わされます。






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posted by ten1ko2 at 09:29 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする