大知(おおとも)先生、氏族伝道の心理学、
続編を紹介します。
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氏族的メシヤを行っていく上で、何よりも大切なのは親子関係です。
本然の親子関係を回復することが、
氏族的メシヤの中心的課題であると言っても過言ではありません。
まず、親子関係の回復という観点を考えてみましょう。
一般の心理学でも、私たちの心の問題の背景に
親子関係があることは知られています。
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発達心理学では、アイデンティティーの基礎が親子関係にあるとしています。
私たちは、意識的にあるいは無意識的に
人生のモデルとして親から多くのことを取り入れます。
ですから、親のことが好きであれば自分のことが好きになれるし、
親のことを大切にしたいと思えば自分のことを大切にするようになります。
逆に、親のことが好きでなければ自分のことを好きになれないし、
親をないがしろにしていて自分のことを大切にできるはずがありません。
なぜなら、親は私の原因であり、私の結果だからです。
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また、臨床心理学の多くの学派が、親子関係の問題が
心の問題や病気の原因となり得ることを指摘しています。
先に挙げたアダルト・チルドレンの考え方や
精神分析学などを学べばすぐにわかることです。
また、不登校や非行など子供たちが引き起こす心の問題の背景に
親の養育のあり方があることも周知の事実です。
そして、心の問題や心の病を改善し解決していく際には、
その背景にある親子関係を改善する、あるいは整理することが重要です。
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では、一般に心理学では、具体的にどのように親子関係を
整理し、改善していこうと考えられているのでしょうか。
子供の問題で保護者が相談に来た時には、
教育相談という形で保護者の相談に乗ります。
その際には、親の子供への関わり方を変えることにより、
現実の親子関係を変化させます。
すると子供の問題行動は解決に向かっていきます。
私自身、十年以上にわたりスクールカウンセラーとして
公立小中学校でカウンセリングをしていますが、
高校生ぐらいまでは、本人のカウンセリングより、親に来談してもらい、
親の子供への関わり方を変えてもらえるようアプローチします。
そのほうが、子供本人に関わるより、ずっと変化が大きいし、
解決までの時間が短いからです。
大学の教員時代にも多くの学生の相談に乗りましたが、
やはり保護者が変わってくれるほうが、
ずっと学生の問題解決にとっても有効でした。
☆
ただし、来談者が大人の場合は、少し事情が変わってきます。
親子関係を整理していくとしても、
その人自身の親が亡くなられていることもありますし、
存命であったとしても、遠くに住んでいたり年を取っていたりして、
来談に来てもらうことが難しいことも多いからです。
また、ある程度の年齢になると、親から受けた過去の心の傷が問題となり、
今更親から関わり方を変えてもらっても仕方がない、というケースもあります。
こうした場合は、その人の中にある、
親に対する捉え方を変えていく、というようになります。
つまり過去は変えられなくても、
過去に対する考え方を変えていくというやり方です。
親の事情や心情を理解して、親に対する感情を変化させたり、
自分自身が見つめていた親とは違う親の姿があることを受け入れて、
親へのイメージを肯定的に変えていくというやり方です。
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また、親子関係を直接扱わず、
親によって傷つけられた自分、愛されなくて育ち切れなかった
自分の中の内なる子供(インナー・チャイルド)を自分自身で癒やしていくか、
親に代わる誰かから受け入れてもらう、あるいは愛してもらうことによって、
心の傷を回復させ、自分自身を育て直そうという考え方です。
こうした考え方は、教会の中でも、一般的に考えられているやり方です。
親に代わって信仰の親や教会長が愛してあげることにより、
伝道対象者の心の傷を癒やしていくとか、
あるいは神様や真の父母様の私たちに対する愛を伝えることにより、
教会員の心を育てていこうという考え方、
つまり、愛されなかった心の傷を、
愛されることによって癒やしていこうという考え方です。
しかし、こうした一般的な心理学や
教会で考えられている親子関係の整理や改善の方法には限界があり、
さらに原理的に見たときに、
その考え方ややり方は不十分であると言うことができます。
では、どのように親子関係の整理・改善を図っていけばよいのでしょうか。
大知 勇治・著
(光言社・刊『成約時代の牧会カウンセリング 氏族伝道の心理学』より)
第3章 氏族的メシヤ勝利と心の問題解決
心の問題と「四大心情圏」
(光言社・刊『成約時代の牧会カウンセリング 氏族伝道の心理学』より)
第3章 氏族的メシヤ勝利と心の問題解決
心の問題と「四大心情圏」
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神様は人類の父母です。
すなわち、親です。
み言を聞いて、神様を素直に受け入れることができない人は、
実際に、親子の関係に問題があったりします。
親に怨みがあると、神様がわからない、
理解しづらいということが言われています。
そういう意味では、
実体の父母との関係を克服できなくとも、
心情の世界において、
親子関係の回復がなされる、ということは、
とても希望的なことだと思います。
また、真の父母様に対して、
「親」という気持ちになれない人も、
解決できるのではないでしょうか。
次回、もう少し掘り下げて
具体的に四大心情を育て解決していくための
貴重なお話に入っていきます。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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