「氏族伝道の心理学」。
私たちが大小の目的を果たして幸せになるためには、
親子関係が大きなポイントですが、
親に愛されなかったことを、愛されることで埋めることは
不可能だということです。
心の問題と「四大心情圏」、
先回のまとめになります。
☆
「四大心情圏」というのは、ご存じのことと思います。
四大心情圏は、図5のように考えることができます。
人間は、親から愛されることにより子女の愛が育ち、
愛された経験に自分の愛を加えて対象を愛することで、
愛が育っていきます。
成長する中で兄弟姉妹(友人関係)の愛を体恤(たいじゅつ)し、
相対を迎えることにより夫婦の愛を育み、
子供を生み育てて父母の愛を成長させていきます。
この子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、父母の愛が、四大心情圏です。
☆
この四大心情圏が歴史的に傷ついてきました。
アダムとエバの堕落により、
アダムとエバが抱えていた不安と怒りが子供たちを傷つけ、
兄弟姉妹の愛が傷ついて兄弟殺しとなってしまったことは、
すでに述べたとおりです。
そして、そうした中で育ったアダムとエバの子供たちが
良い夫婦関係を結べるはずがなく夫婦の愛が傷つき、
親になったとしても
ゆがんだ父母の愛でしか子供を愛することができず、
またその子供たちを傷つけました。
そうして育った子供たちは、子女の愛が傷ついて、
その結果兄弟関係がうまくいかず……。
このように四大心情圏の傷つきの悪循環を
アダムとエバ以来、歴史的に延々と続けてきたのです。
☆
そして、今、私たちの心の中の癒やされ切れていない傷つきが
不安や怒りとなって、子供たちを傷つけてしまう、
そうした悪循環が続いていこうとしています。
これをどのように断ち切ればよいのでしょうか。
先ほど、愛されなかった心の傷を愛されることにより癒やしていく
という考え方では不十分であると述べました。
では、なぜ不十分なのでしょうか。
それは、四大心情圏がどのようにして完成していくか
ということについての大きな勘違いがあるからです。
子女の愛は親から愛されることにより完成する
というように考えている教会員がいます。
そして、父母の愛は子女を愛して完成するとも考えています。
でも、本当はそうではないようです。
お父様は次のように語られています。
☆
「侍る生活とはどのような生活でしょうか。
至誠を尽くす生活です。
昔は、霊的に神様に対して精誠を尽くしましたが、
今日では、実体的な父母に孝と誠を尽くすのです。
その孝と誠を、至誠の限り尽くす道が
国に対して忠誠を尽くす最初の道であり、
これがこの万民に対して、
万国を代表する聖人たちがしていたことです。
したがって、今日のこの地上に、
平面的な立場で父母をお迎えし、
一つの孝と誠を尽くすというその事実は、
国の忠臣の道理を受け継ぐことができ、世界の聖人の
道理を受け継ぐことができるという価値があるのです。
ですから、神様の前に、あるいは真の父母の前に
孝子の名をもち、孝子の公認を受けるということは、
偉大で驚くべきことです」
(七八−三五、一九七五・五・一)
☆
このみ言から本然の四大心情圏のあり方を考えていくと、
親の愛を基盤として、
自分の愛を主体的に発揮することにより子女の愛が完成し、
子供から侍られることによって父母の愛が完成し、
天地の公認を受けるようになる、と理解することができます。
このことが重要なポイントです。
こうした点を踏まえて、私たちが
四大心情圏を完成していく道を詳しく説明していきましょう。
☆
人が子供を生んで育てるとき、未熟で不十分なことはたくさんあります。
でも親は親なりの精いっぱいの努力で子供を愛します。
その中で、子女の愛が育っていきます。
そして、成長して兄弟関係、友人関係の中で、
兄弟姉妹の愛を成長させていきます。
そして、相対を迎えて夫婦となり、子供を生んで親になります。
自分自身が子供をもち、親の心情がわかるようになって親に侍る時、
その時に初めて子女の愛が完成するようになります。
そして、自分たちの子供が成長し、結婚して
子供(孫)ができて親になった時、祖父母になります。
親の心情がわかるようになった子供から侍られて、
祖父母の立場に立った親は、父母の愛を完成することができます。
このようにして、四大心情圏は完成されていきます。
☆
ということは、四大心情圏を完成するためには
三代圏が必要であるという結論が出てきます。
お父様の最近のみ言は、
三代で暮らすことの大切さを訴えられるものが少なくありません。
それは、四大心情圏を完成するためには、
三代で暮らすことが必須だからです。
もし、親から愛されることによって子女の愛が完成し、
子女を愛することによって父母の愛が完成するなら、
三代で暮らす必然性は出てきません。
二代で四大心情圏が完成されることになるからです。
☆
また、神様の愛はとっくに完成されていたでしょう。
六千年間、子供である私たち人間を無条件に愛し続けられたのですから。
しかし、神様も愛を完成することができませんでした。
それは、神様に侍る子女がいなかったからです。
神様も、真の子女である真の父母様に侍られることによって、
初めて愛を完成することができたのです。
ですから、真の父母様は、真の愛の完成のため、
四大心情圏の完成のために、還故郷をし、自分の親に侍ることを強調されるのです。
☆
さらに付け加えると、私たちは、自分の肉親の父母に侍りながら、
真の血統に接ぎ木してくださる天地人真の父母様に侍ることによって、
私たちの血統が真の血統につながっていく道が開かれていくのでしょう。
どちらか一方に侍るだけでは、私たちの血統が、
神様につながっていくことはできなくなってしまうように感じます。
☆
このように考えた時、私たちが親から受けた
心の傷を回復させる方法は、おのずと見えてきます。
それは、「親に侍ること」です。
親から愛されるだけでは、心の傷を完全に回復させることはできません。
実際に、「小さい頃のことを親から謝ってもらい、
親が一生懸命に愛してくれていることはわかるけれど、
小さい頃に親から受けた傷は癒えません」という二世もいました。
親から謝罪され、愛されるだけでは、
心の傷を癒やすには不十分なのです。
むしろ、自分の親に侍ることにより、
親から受けた心の傷の回復がなされるのです。
さらに言えば、親に侍るという行為自体が
本然の親子関係の中で行われる行為ですから、
自然と堕落性が脱げていき、
創造本性での授受作用ができるようになるでしょう。
逆に言えば、創造本性の授受作用をしていく中で
堕落性が抜けていくと言うこともできます。
いずれにしても、親に侍るという行為が、
堕落性を脱ぎ創造本然の私自身を育てていく上で
いかに重要かということを理解していただけたと思います。
大知 勇治・著
(光言社・刊『成約時代の牧会カウンセリング 氏族伝道の心理学』より)
第3章 氏族的メシヤ勝利と心の問題解決
心の問題と「四大心情圏」
(光言社・刊『成約時代の牧会カウンセリング 氏族伝道の心理学』より)
第3章 氏族的メシヤ勝利と心の問題解決
心の問題と「四大心情圏」
☆
三代圏が大切だと聞いては来ましたが、
四大心情圏を確立するために必要だったとは。。。
講義する立場としては、申し訳ないのですが、
このことは初めて聞きました。
親になって、初めて親の立場が分かり、
自分の親に侍る侍り方も変わっていきます。
子どもにしても夫婦にしても
しっかり愛して、相手が十分に愛されたという時に
その愛は完結する。
神様をしっかり愛することを通して
本当の意味での信仰と言えるのかもしれません。
やはり、すべての愛を通過された
真の父母様だからこそ、
説くことができたのでしょう。
「氏族伝道の心理学」も佳境に入ってきました。
続編をお楽しみに。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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