小山田先生の自叙伝「真の父母様の御跡を慕って」より
大学時代の証しです。
共産主義とキリスト教、二つの思想に関わりますが、
共産主義の限界に気づき、さらに
キリスト教の洗礼を受けるようになる
それまでのお話です。
☆
ヘブライズムとヘレニズムの思想問題
大学の受験勉強に取り組みながらも、
その勉強に問題を感じていました。
人生の本質的な問題とは関係がないので、
勉強は夜十二時までとし、十二時以降は、
前述の三大難問の解決に当てるようにしました。
そして東北大学に入学したのですが、がっかりしました。
大学というのは、自分が勉強する所であって、
人から習う所ではないと考えたのです。
大学時代に私は、四、五種類の本を毎日読んでいました。
それも読みっぱなしにしないで、要点を全部ノートに書いていたのです。
☆
大学には、年配の女性心理学者がいました。
人生の問題に悩む私に、いつもこの先生が言ったものです。
「君の心を見ると、二つの相反する心が葛藤しているね。
一つは、悪は絶対許さないというもの。
それならマルクス主義の『資本論』を
原典(ドイツ語)で読んで(筋金入りの)共産党員になるか、
それとも、全てを許してキリスト教の牧師になるか、
どちらかを選びなさい」と。
☆
思想問題について、当時、私は極左共産主義の中核派や、
日本共産党系の民青(日本民主青年同盟)にも関わっていました。
月曜と火曜、木曜と金曜は、中核派や民青の活動をし、
水曜、土曜、日曜はキリスト教会に通う
という生き方をしたのです。
正にキリスト教と共産主義、ヘブライズム(ユダヤ教・キリスト教の思想の根本)と
ヘレニ ズム(人間中心主義の古代ギリシャの文化や思想)という
二つの思想の間を行き来していたのです。
その頃は、日本全体を揺り動かす「8年安保闘争」の時代で、
全学連(全日本学生自治会総連合)を中心に反米運動が盛んでした。
私も学生デモに参加したり、社会党、共産党を中心とした
左翼の活動にも関わったりしましたが、
その背後にある、中共やソ連(当時)、北朝鮮の策動を
どのように捉えたらよいのか、 疑問の種でした。
機動隊とぶつかったり、日教組(日本教職員組合)の学習指導を受けたり、
全学連の大会や彼らのセミナーにも何度も参加したりしました。
☆
しかし、左翼思想は、常識では絶対に理解することができません。
それは、すさまじいばかりの怨念や憎悪心が
根底にないと理解できないからです。
理論的にマルクスやエンゲルスの思想を見ても分かりません。
怨念、憎悪心といった負の情念が背景にないと
理解できないのです。
それで彼らは、権力への憎悪心を抱かせるために、
必ず新入生をデモの先頭に立てるのです。
機動隊から警棒で叩かれたり、攻撃を受けたりすることで、
怒りと悔しさが出てきます。
負の情念です。
こうして負の情念を植え付けられ、そこから
反体制や国家転覆という発想が出てくるようになるのです。
☆
私は哲学や神学を学んでおり、論理的に考えるのですが、
マルクス主義の本を見ても、論理的には矛盾だらけです。
『国家と革命』(レーニン著)も、理論的には話になりません。
共産主義に関わる中で、私は「国家というものを裏から見る」
という論点を学び、訓練を受けたのだと思います。
体制と反体制という内容です。
大学で習ったヘブライズムとヘレニズムが、
私にとっては最も真剣な問題でした。
常識的にはヘレニズムのほうが入りやすいのです。
それは、どこまでも人間中心主義で、世俗的発想だからです。
しかし、「これでは本質的な問題解決はできない。
情念と情欲を中心とした、人間の堕落した性質を
解決するには不十分だ」と思いました。
☆
精神的危機からクリスチャンに
大学一年のときに、私の指導教官である
ゲーテ研究の専門家からアドバイスを受けました。
「君は偉大な作家の全集を全部読みなさい」と。
ゲーテは、ドイツが誇る自然科学者であり、
ヴァイマル公国の宰相も経験した政治家、
法律家にして、ドイツの文豪です。
私は、ゲーテの全集、『若きウェルテルの悩み』から
最後の『ファウスト』まで全部読み ました。
そのとき指導教官は、「ゲーテの全集を読む前に、
ゲーテの限界を理解してから読みなさい」と言ったのです。
それで、アルベルト・シュバイツァーの本を薦められたのです。
私に、ゲーテのヘレニズムに限界があることを理解させるためです。
シュバイツァーは、 ヘブライズムを前提にした立場でした。
ヒューマニズムの限界にいくと、ニヒリズム(虚無主義)へと陥ります。
落ちるところまで落ちるとヘブライズムに入っていくのです。
絶望し、その峠を越えて、ヘブライズムに入るようになっているのです。
このようにして私の思考はさらに深まり、高められていったように思います。
そこから、ユダヤ教、キリスト教へと導かれ、
思想や聖書の研究、諸宗教の比較研究、
諸宗教との対話の必要性というものを学んでいったのです。
☆
また男女問題は、私にとって、とても深刻な問題でした。
思春期でしたから。
左翼活動家の中にも恋愛問題があり、
あげくには自殺に追い込まれるといった問題があったのです。
私も「プラトニック・ラブ」(精神的恋愛)を一度経験しました。
私にとって、母の愛、姉、妹の愛という部分では感じられなかった世界を、
私が家庭教師を担当した家庭の、お母さんと姉妹の関係を見ながら感じたのです。
しかし、突然、その家族との関係が切られてしまい、私は精神的危機に陥りました。
それを霊的次元で解決したのです。
その関係をもう一度取り戻すことにより、私は回心し、
洗礼を受けてクリスチャンになったのです。
そのきっかけとなったのが、次の聖句です。
「神はそのひとり子を世につかわし、
彼によってわたしたちを生きるようにして下さった。
それによって、わたしたちに対する
神の愛が明らかにされたのである。
わたしたちが神を愛したのではなく、
神がわたしたちを愛して下さって、
わたしたちの罪のためにあがないの供え物として、
御子をおつかわしになった。
ここに愛がある」
(ヨハネ の第一の手紙四章9-0節)
自叙伝「真の父母様の御跡を慕って」
小山田秀生
自叙伝「真の父母様の御跡を慕って」
小山田秀生
☆
共産主義とキリスト教との思想における葛藤。。。
小山田先生は、憎悪の思想に染まることなく、
良心にしたがって、神への道を選択しました。
そして、クリスチャンとなった小山田先生が
どのようにして統一教会(現:家庭連合)に出会ったか。
とても興味深いところです。
次回をお楽しみに。。。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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