過去の恨みは水に流し
世界の友よ手をつなごう
世界が滅べば何がある
耐え難い胸も今は忍べ
「手をつなごう」より
世界の友よ手をつなごう
世界が滅べば何がある
耐え難い胸も今は忍べ
「手をつなごう」より
☆
聖歌U部の8番、「手をつなごう」に関する
天野照枝先生のお話。
少し期間が空いてしまいましたが、
以前紹介した証しの続編、
「怨讐のキリスト教を心から愛し、
尽くされた真の父母様」です。
☆
(「手をつなごう」を作曲した西川)太満恵さん(~2018、777双)の聖和式のとき、
初期の頃に超教派運動を共にした大脇準一郎さん(777双) が、
次のような追悼の文を書いて、参加者に配ってくれました。
これを読むと草創期の真のお父様の姿がしのばれます。
「今朝、去来する思いを述べ、 追悼の花輪としたい。
二千年のキリスト教の歴史が現代摂理と
つながらなかったことは、二十世紀最大の悲劇であり、
お父様の慨嘆を聞いた人も多いことであろう。
まさにイエスの前に道を直くすることができなかった、
洗礼ヨハネの失敗が繰り返されたということである。
お父様の生涯の大半はこのキリスト教会の失敗を
蕩減復帰するためであった。
......(輸血で)血を売ったりして資金をつくっていた
教会初期の頃から、お父様は
『教会の全予算の四分の三は超教派活動に使った』
とおっしゃっていたが、四十年間も『異端だ』と
批判されながらもキリスト教会の看板を下ろすことなく、
歩んでこられ、まさに神様の真の愛の実践をされてきた」
☆
大脇さんが指摘されたごとく、
真のお父様の超教派運動に対する思いは
強く、深いものでした。
「教派分裂した世界のキリスト教を、
神霊を中心として統一していく超教派運動は、
蕩減復帰歴史の中心軸である」と語られ、
一九六八年から日本でも、小規模ながら
超教派運動が始まったのです。
☆
キリスト教会の朝祷会に参加すると、
「統一教会の青年は出ていけ」と言われたのですが、
その中で大きな理解を示した牧師がいました。
絵を描き、書をよくする、人脈に恵まれた方でした。
それが、中村信一牧師です。
ご夫妻で共に立ち上がってくださり、
この方を中心に、既成教会と連結する
ユニオン教会が設立され、その補佐の立場として、
私の夫の天野哲也は天の願いを受けました。
この話をするのは、真のお父様の
深い思いをお伝えしたいからです。
☆
キリスト教渉外は多くの苦労がありましたが、
人格的に素晴らしい義人も準備されていました。
しかし、反対も激しく、積み上げた計画が
反対派によってガラガラと崩れることがあり、
夫は苦しみました。
その頃、夫は訪韓の機会があり、
韓国で超教派を担当していた
李載錫先生(3双)と親しく交流し、励ましを受けました。
李先生は、他の幹部から「反対するキリスト教会に
なぜお金を使う必要があるのか。
もっと私たちのために使うべきじゃないか」
と責められていたとのことです。
そのことに対して真のお父様は、
「先生はキリスト教に恩があるんだよ」
としみじみと語られたそうです。
「えっ、恩?」 と夫が思ったとき、
お父様は「親である神様を、歴史を通して
犠牲になりながら守ってきたのは一番にキリスト教だよ。
だから恩があるんだ。
先生はヨセフの気持ちだよ」と、お話を続けられたのです。
夫にとって衝撃的なみ言でした。
☆
真のお父様のおっしゃったヨセフとは、
創世記に出てくるヤコブの息子のことです。
兄たちは、特別に親に愛される弟ヨセフに激しく嫉妬し、
ヨセフを殺そうとし、結局、奴隷として売ってしまいます。
その後、ヨセフはエジプトにおいて無実の罪で
何年も獄に入りますが、パロ王の夢を解いて
国の危機を回避させ、総理大臣にまでなります。
そこに兄たちが食料を買いにきて、やがて
ヤコブ氏族七十人がエジプトに移住し、
四百二十年の後にはイスラエル民族として
出エジプトするまで歴史が進んでいくのです。
真のお父様は、「兄たちはヨセフを奴隷として売った。
たまりかねる恨みだ。
それをなぜヨセフは許したか?
ヨセフは親を愛していた。
自分がいない間、年取った親を守ってくれたのは
この兄たちだと思えば、ありがたい。
先生はそのヨセフと同じ気持ちだよ」と話されたのです。
☆
それを聞いて、夫は自分の足りなさを
心から悔い改めたといいます。
真のお父様にとって、ご自分を殺そうとし、
み旨の道を阻んだ韓国のキリスト教は怨讐です。
しかしその敵に対して、親なる神を守り、
再臨基盤の国をつくるために迫害を超えて闘ってくれた、
という恩をもって尽くされるお父様の姿を知ったのです。
かつてキリスト教徒たちは刑場に引き出されながら、
イエスとマリヤの名を呼びました。
親と共に死の場も超えていこうとする
いじらしい子供たちを抱き締めながら、
どれほど神様が泣かれたことでしょう。
さまざまな、歴史に残る神様への彼らの孝情を、
真のお父様はご自分の恩と受け止め、
「(超教派活動は)物的犠牲・人的犠牲を
覚悟しながらやっている」 と言われたのです。
なんというお方なのか!
このあと二十年近くも超教派活動に関わった
私たち夫婦にとって、前に進む勇気を頂いた、
かけがえのない愛の記憶です。
ヨセフが兄たちを許すときの「あなたがたは
わたしに対して悪をたくらんだが、神は
それを良きに変わらせて ...」 (創世記五〇・20)
という聖句は、今も私の宝物です。
☆
真のお母様は、真のお父様と一つのお心で
いらっしゃるので、キリスト教が再臨主の環境圏に
なれなかった二十世紀最大の恨を、
ご自分の責任として解いておられます。
過去のキリスト教の覚醒運動やリバイバルは
全て聖霊体験から始まっており、その実体であるお母様は、
キリスト教界の義人を、直接また霊的に導いて育ててこられました。
* そして、真のお母様は、摂理の大きな一区切りのとき、
米国 で三万人のキリスト教指導者を中心に
WCLC(世界聖職者指導者協議会)を設立され、
天に捧げられました(2019年2 月9日)。
その年のクリスマスを盛大に祝い、
世界的なオンライン礼拝でお母様が、
「このたびはイエス様がとても苦労して頑張られたので、
感謝の拍手をしましょう」とおっしゃって、
拍手したのを忘れることができません。
天野照枝
〜続・聖歌の恵み〜
聖歌第二部8番「手をつなごう」前編
(「世界家庭」2021年6月号より)
〜続・聖歌の恵み〜
聖歌第二部8番「手をつなごう」前編
(「世界家庭」2021年6月号より)
☆
真のお父様のキリスト教に対する見つめ方、
本当に素晴らしいと思いました。
ヨセフの歩みを例えて、
ご自身の思いを証しされていましたが、
善なる心の塊なんだな、と感じます。
余談ですが、「まるくまーる」さんのブログに
こんな記事がありました。【良寛逸話@「渡し舟の権三」】
http://kitasendo.blog12.fc2.com/blog-entry-3039.html?sp
良寛和尚も本当の善人であったんだな、
そのように思わされる逸話です。
私たちは、真の父母様と同じ「メシヤ」の称号を持つ、
「神氏族メシヤ」の一員であります。
恩讐を愛する精神をもって、
歩んでいきたいと思うのです。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)