2023年06月08日

あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神 *ルツとナオミの物語2 《金元弼先生》



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金元弼(ウォンピル)先生のみ言
「何よりも神のものを愛す」より
「イスラエル民族の血統の相続」、
ルツとナオミの物語の続編です。

異邦人の女性、ルツが
イスラエルに認められるため、
その前提として、姑に付いて
いかなければなりませんが、
3つの関門がありました。 


ナオミやルツの旦那さんがみんな亡くなって、
ナオミが故郷に帰る時の路上での、
三つの会話の内容を調べてみましょう。

まず、ナオミは自分の母の家に
帰りなさいと勧めました。

ナオミは、お嫁さんの事情をよく知っていましたので、
「あなたがたが、死んだふたりの子と
わたしに親切をつくしたように、
どうぞ、主があなたがたに、
いつくしみを賜わりますよう。

どうぞ、主があなたがたに夫を与え、
夫の家で、それぞれ身の落ち着き所を
得させられるように」(ルツ一・八〜九)と言います。

彼女は頼りにしていた旦那さんを亡くし、
二人の子供も亡くして、たった一人残ったわけです。
今頼れる人は、ただ二人のお嫁さんだけです。

しかし、彼女は自分のことを考えず、
かえってお嫁さんのことを心配して、
ただ「帰りなさい」と言うだけでは不安でしたので、
新しい夫の家で平和な暮らしができるよう、
主が配慮してくださり、
前途を守ってくれるようにと言って
安心させようとしました。


二人のお嫁さんは泣きながら、
「いいえ、わたしたちは一緒に
あなたの民のところへ帰ります」(ルツ一・一〇)と答えます。

あなたの民と言っているのを見ると、
相対的に私の民があるのが分かります。

あなたの民とは、イスラエル支派を言うのであって、
自分の民を否定してイスラエル支派の民に、
自分も入っていくことを強く述べているのです。


ところがナオミはまた、泣いて訴えている
お嫁さんたちに「娘たちよ、帰って行きなさい。
どうして、わたしと一緒に行こうというのですか。
あなたがたの夫となる子がまだわたしの胎内に
いると思うのですか。

娘たちよ、帰って行きなさい。
わたしは年をとっているので、
夫をもつことはできません。

たとい、わたしが今夜、夫をもち、
また子を産む望みがあるとしても、
そのためにあなたがたは、
子どもの成長するまで待っているつもりなのですか。

あなたがたは、そのために
夫をもたずにいるつもりなのですか。
娘たちよ、それはいけません。

主の手がわたしに臨み、わたしを責められたことで、
あなたがたのために、
わたしは非常に心を痛めているのです」(ルツ一・一一〜一三)と言います。

すると、自分の民を捨ててあなたの民と
一緒にいたいと言ったお嫁さんでも、
この第二の勧めに逆らうのは
なかなか難しかったことが分かります。

 
ナオミという人は、非常に開かれた人で、
当時としては難しいことだと思うのですが、
「私から離れて再びお嫁に行きなさい」
と強く勧めているのです。

もし普通の人がそういう立場に立つと、
自分も今、全部を失って一人であり、
同じ立場ですから、私と永遠に
一緒にいましょうと考えるはずです。

しかしナオミはそういう考えをしませんでした。


兄のお嫁さんはそう言いつけられた時に、
心がとても弱くなったのです。

そして我に返って、「私はここにいたって、
もうお嫁に行くこともできないし、
どうしてナオミと同じく、
一人でいることができるであろうか」と思い、
別れの接吻をして帰っていきます。

しかし、ルツは動きませんでした。
かえってナオミにすがりついて、拒んだのです。


ところがナオミは三回目の勧めをします。
「ごらんなさい。あなたの相嫁は
自分の民と自分の神々のもとへ帰って行きました。
あなたも相嫁のあとについて帰りなさい」(ルツ一・一五)

自分のために、夫婦のために、家庭の幸せのために、
そこまではやったけれども、
命を懸けて愛する自分の神、その信仰自体を
否定することは難しいことでした。

しかし、ルツは次のように答えます。
「わたしはあなたの行かれる所へ行き、
またあなたの宿られる所に宿ります。
あなたの民はわたしの民、
あなたの神はわたしの神です」(ルツ一・一六)

そう言われて、それ以上ナオミは
勧めることができなくなってしまいました。

第一、第二、第三と勧めた内容は、
今、私たちが抱えている問題と似たものがあります。

 
ナオミは本当に自分と同じような対象を
見付けることができました。

ナオミはイスラエルの血統を
受け継がなければならない立場にありました。

夫のエリメレクはちょうどイスラエル民族の
血統の種みたいなもので、
ナオミはそれを受け継ぐ重要な位置にあり、
相続権をもっていたのです。

ところが、夫は亡くなり、血統を受け継ぐ
子供たちも全部亡くなったので、
誰に受け継がせるかということが問題になります。

それを見付けようとしたのが、
第一、第二、第三の勧めの内容となるのです。

ルツは自分自体を否定し、相対的な理想を否定し、
自分の民族も神も全部否定した時に、
初めてイスラエルの人として、
イスラエルの家庭、イスラエル民族の一員として、
その相続権を受け継ぐことができるのです。


ルツには越えなければいけない
もう一つの大きな道が残っていました。

つまり、イスラエルの血統を相続しえるか否かは、
ナオミヘの返事によって認められるけれども、
最終的な決定はまだ残っていたのです。

U 先生の道は我々の伝統
第七章 何よりも神のものを愛す
「イスラエル民族の血統の相続」

信仰生活シリーズ 6
伝統の源流 主と歩んだ教会創立以前の道」 
金元弼(1998年7月1日発行)
*『信仰と生活第二集伝統の生活化』を改題

再編集 文責:ten1ko2


ルツは、
「わたしはあなたの行かれる所へ行き、
またあなたの宿られる所に宿ります。
あなたの民はわたしの民、
あなたの神はわたしの神です」と言いました。

本当に力のある言葉です。
ナオミの姿を見て、またナオミが信じる神様に
心から信じ従っていきたい、
そんな思いが表れています。

ナオミは、ルツをみごとに伝道した、
ということになります。

おそらく一緒に暮らす中で、
ルツはナオミの信仰を受け入れていたのでしょう。

しかし、イスラエルに帰るナオミに従うことは、
ただ受け入れるのではなく、国もモアブの神も、
全てを捨てていかなければなりませんでした。

今、私たちも真の父母様と出会い、
真の神様に出会いました。

巷では、いろんな情報が流れています。
「そんな神様を信じるなんて、良くないことだ」
そんな声が聞こえてきます。

しかし、ルツのように
「あなたの神はわたしの神です」と
堂々と宣布する、私でありたいと思います。

家庭連合としても、
口先だけではなく、
私たちの真価が問われていると思うのです。




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posted by ten1ko2 at 07:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 金元弼先生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする