金元弼(ウォンピル)先生のみ言
「何よりも神のものを愛す」より
「イスラエル民族の血統の相続」、
ルツとナオミの物語の続編です。
異邦人の女性、ルツが
イスラエルに認められるため、
その前提として、姑に付いて
いかなければなりませんが、
3つの関門がありました。
☆
ナオミやルツの旦那さんがみんな亡くなって、
ナオミが故郷に帰る時の路上での、
三つの会話の内容を調べてみましょう。
まず、ナオミは自分の母の家に
帰りなさいと勧めました。
ナオミは、お嫁さんの事情をよく知っていましたので、
「あなたがたが、死んだふたりの子と
わたしに親切をつくしたように、
どうぞ、主があなたがたに、
いつくしみを賜わりますよう。
どうぞ、主があなたがたに夫を与え、
夫の家で、それぞれ身の落ち着き所を
得させられるように」(ルツ一・八〜九)と言います。
彼女は頼りにしていた旦那さんを亡くし、
二人の子供も亡くして、たった一人残ったわけです。
今頼れる人は、ただ二人のお嫁さんだけです。
しかし、彼女は自分のことを考えず、
かえってお嫁さんのことを心配して、
ただ「帰りなさい」と言うだけでは不安でしたので、
新しい夫の家で平和な暮らしができるよう、
主が配慮してくださり、
前途を守ってくれるようにと言って
安心させようとしました。
☆
二人のお嫁さんは泣きながら、
「いいえ、わたしたちは一緒に
あなたの民のところへ帰ります」(ルツ一・一〇)と答えます。
あなたの民と言っているのを見ると、
相対的に私の民があるのが分かります。
あなたの民とは、イスラエル支派を言うのであって、
自分の民を否定してイスラエル支派の民に、
自分も入っていくことを強く述べているのです。
☆
ところがナオミはまた、泣いて訴えている
お嫁さんたちに「娘たちよ、帰って行きなさい。
どうして、わたしと一緒に行こうというのですか。
あなたがたの夫となる子がまだわたしの胎内に
いると思うのですか。
娘たちよ、帰って行きなさい。
わたしは年をとっているので、
夫をもつことはできません。
たとい、わたしが今夜、夫をもち、
また子を産む望みがあるとしても、
そのためにあなたがたは、
子どもの成長するまで待っているつもりなのですか。
あなたがたは、そのために
夫をもたずにいるつもりなのですか。
娘たちよ、それはいけません。
主の手がわたしに臨み、わたしを責められたことで、
あなたがたのために、
わたしは非常に心を痛めているのです」(ルツ一・一一〜一三)と言います。
すると、自分の民を捨ててあなたの民と
一緒にいたいと言ったお嫁さんでも、
この第二の勧めに逆らうのは
なかなか難しかったことが分かります。
☆
ナオミという人は、非常に開かれた人で、
当時としては難しいことだと思うのですが、
「私から離れて再びお嫁に行きなさい」
と強く勧めているのです。
もし普通の人がそういう立場に立つと、
自分も今、全部を失って一人であり、
同じ立場ですから、私と永遠に
一緒にいましょうと考えるはずです。
しかしナオミはそういう考えをしませんでした。
☆
兄のお嫁さんはそう言いつけられた時に、
心がとても弱くなったのです。
そして我に返って、「私はここにいたって、
もうお嫁に行くこともできないし、
どうしてナオミと同じく、
一人でいることができるであろうか」と思い、
別れの接吻をして帰っていきます。
しかし、ルツは動きませんでした。
かえってナオミにすがりついて、拒んだのです。
☆
ところがナオミは三回目の勧めをします。
「ごらんなさい。あなたの相嫁は
自分の民と自分の神々のもとへ帰って行きました。
あなたも相嫁のあとについて帰りなさい」(ルツ一・一五)。
自分のために、夫婦のために、家庭の幸せのために、
そこまではやったけれども、
命を懸けて愛する自分の神、その信仰自体を
否定することは難しいことでした。
しかし、ルツは次のように答えます。
「わたしはあなたの行かれる所へ行き、
またあなたの宿られる所に宿ります。
あなたの民はわたしの民、
あなたの神はわたしの神です」(ルツ一・一六)。
そう言われて、それ以上ナオミは
勧めることができなくなってしまいました。
第一、第二、第三と勧めた内容は、
今、私たちが抱えている問題と似たものがあります。
☆
ナオミは本当に自分と同じような対象を
見付けることができました。
ナオミはイスラエルの血統を
受け継がなければならない立場にありました。
夫のエリメレクはちょうどイスラエル民族の
血統の種みたいなもので、
ナオミはそれを受け継ぐ重要な位置にあり、
相続権をもっていたのです。
ところが、夫は亡くなり、血統を受け継ぐ
子供たちも全部亡くなったので、
誰に受け継がせるかということが問題になります。
それを見付けようとしたのが、
第一、第二、第三の勧めの内容となるのです。
ルツは自分自体を否定し、相対的な理想を否定し、
自分の民族も神も全部否定した時に、
初めてイスラエルの人として、
イスラエルの家庭、イスラエル民族の一員として、
その相続権を受け継ぐことができるのです。
☆
ルツには越えなければいけない
もう一つの大きな道が残っていました。
つまり、イスラエルの血統を相続しえるか否かは、
ナオミヘの返事によって認められるけれども、
最終的な決定はまだ残っていたのです。
U 先生の道は我々の伝統
第七章 何よりも神のものを愛す
「イスラエル民族の血統の相続」
信仰生活シリーズ 6
「伝統の源流 主と歩んだ教会創立以前の道」
金元弼(1998年7月1日発行)
*『信仰と生活第二集伝統の生活化』を改題
第七章 何よりも神のものを愛す
「イスラエル民族の血統の相続」
信仰生活シリーズ 6
「伝統の源流 主と歩んだ教会創立以前の道」
金元弼(1998年7月1日発行)
*『信仰と生活第二集伝統の生活化』を改題
☆
再編集 文責:ten1ko2
ルツは、
「わたしはあなたの行かれる所へ行き、
またあなたの宿られる所に宿ります。
あなたの民はわたしの民、
あなたの神はわたしの神です」と言いました。
本当に力のある言葉です。
ナオミの姿を見て、またナオミが信じる神様に
心から信じ従っていきたい、
そんな思いが表れています。
ナオミは、ルツをみごとに伝道した、
ということになります。
おそらく一緒に暮らす中で、
ルツはナオミの信仰を受け入れていたのでしょう。
しかし、イスラエルに帰るナオミに従うことは、
ただ受け入れるのではなく、国もモアブの神も、
全てを捨てていかなければなりませんでした。
今、私たちも真の父母様と出会い、
真の神様に出会いました。
巷では、いろんな情報が流れています。
「そんな神様を信じるなんて、良くないことだ」
そんな声が聞こえてきます。
しかし、ルツのように
「あなたの神はわたしの神です」と
堂々と宣布する、私でありたいと思います。
家庭連合としても、
口先だけではなく、
私たちの真価が問われていると思うのです。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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