阿部先生が、U-ONE TV(YouTube)において、
「韓国と日本の文化の違い」について解説しています。
第1回目は、『愛の文化と美の文化』です。
☆
韓国と日本の文化の違いを教えてください
という質問に対して、
何回かに分けてお答えいたします。
韓国と日本は似ている面もありますが、
違う面も多くあります。
韓国と日本の文化を比較して、
両国の良い点を探してみたいと思います。
第1回は愛の文化と美の文化です。
☆
日本の父の日・母の日や、韓国の父母の日には、
どちらも感謝の気持ちを込めて、カーネーションなどを渡しますが、
その時に伝える言葉が違います。
日本は「お父さん、ありがとう」
「お母さん、ありがとう」などであり、
韓国は、「アボジ、オモニ、サランヘヨ」
「お父さん、お母さん、愛してます」なのです。
韓国は主体*の(能動的な)立場に立って、
愛を表現する、愛の文化と言われます。
韓国人がよく使う、「サランヘヨ」は、
自分が下に立って愛を表現する言葉です。
たとえ幼い子供であっても、
主体に立って愛を表現します。
それに対して日本は、対象*の(受け身的な)
立場に立って、美を表現することが多く、
美の文化と言われます。
日本人がよく使う、「ありがとう」は、
自分が対象に立って受けた愛に対して
美を返す言葉です。
このように一言で言えば、韓国は愛の国、
日本は美の国と言えます。
☆
また韓国は主体的(能動的)な表現が多いですが、
日本語は対象的(受動的)な表現が多いのです。
例えば、「いただきます」は
もらうの謙譲語の「いただく」という言葉、
「ごちそうさま」も相手に感謝するような、
受け身的立場で表現します。
一方、韓国語では「チャルモッケスムニダ=よく食べます」
「チャルモゴッスムニダ=よく食べました」と
あくまでも主体的立場で表現します。
☆
また韓国企業のコマーシャルでは「自尊心」、
「プライド」という言葉がよく使われます。
例えば、「民族の自尊心、現代自動車」という表現です。
一方、日本は謙遜、謙虚な姿勢こそ美徳と考えますから、
お客様は神様です、という姿勢で、
「日頃のご愛顧にお応えして」「愛されて50年」
などと言いながら、受け身になって、最善を尽くそうとするのです。
これらを見ても韓国人は、男性的な主体意識が強く、
日本人は女性的な対象意識が強い傾向性があることがわかります。
☆
贈り物に対する認識の違いもあります。
韓国人は下着をプレゼントすることが多いです。
贈り物として一番好んで送るのが、身につけるものであり、
人が直接肌身につける下着は、近い関係において親愛の情を示します。
また韓国人は送る主体の「贈ろう」という情が重要なのです。
韓国では本当に必要なものを送らないと意味がない、
と考えるわけですが、その判断はどこまでも送る主体の主観の話で
自分が相手のためだと思うものをどんどん送ろうとします。
韓国ではものではなく、情を与えるのです。
韓国では与えることについて、
遠慮することはマイナスにしかなりません。
日本人は物にこだわってしまう上、
主体である相手の出方に自分が合わせようとするので、
自分の主体的な情よりも、もらう相手がどう考えるだろうか
という方により関心を置きます。
このように主体側の情を大切にする韓国と
相手の情を配慮する日本の違いがあります。
☆
韓国の表現はチマチョゴリの原色の美しさのようにわかりやすく
純粋で原色的な自己表現です。
日本はそれに比べると
消極的な謙虚な美の世界なのかもしれません
韓国人の先に与えること、多くは与えることという
韓国人の情の世界が、日本人には
新鮮であると同時に相続したい文化です。
しかし主体的な愛と対象的な美は、
どちらが良いか悪いかではなく、
夫婦がペアで一つであるように
互いに調和したら、素晴らしい文化となるでしょう。
【ほぼ5・人生相談】第144回
「韓国と日本の文化の違いについて教えてください
@愛の文化と美の文化」
U-ONE TVhttps://www.youtube.com/watch?v=srtQwcnPzsc
「韓国と日本の文化の違いについて教えてください
@愛の文化と美の文化」
U-ONE TVhttps://www.youtube.com/watch?v=srtQwcnPzsc
☆
*主体・対象、主体的・対象的:
主体と対象とは、対になる原理用語であり、
一般的にはあまり使われない言葉なので、
この場合は、「能動的・受け身(受動)的」な立場として
置き換えると、わかりやすいと思います。
再編集 文責:ten1ko2
主体と対象とは、対になる原理用語であり、
一般的にはあまり使われない言葉なので、
この場合は、「能動的・受け身(受動)的」な立場として
置き換えると、わかりやすいと思います。
再編集 文責:ten1ko2
とてもわかりやすく、まとめておられますね。
阿部先生は、かつて鮮文大学の語学院で
韓国語を熱心に学ばれた経験があります。
現地で韓国の文化に触れたことがあり、
おそらく深く研究されたと思うので、
そういう意味でも説得力があるのだと思います。
結論としては、
どちらがいい悪いではない、ということです。
もっと言えば、どちらが優れている、劣っている、
ということではないのです。
当然私たちは、日本人なので、日本を愛し、
また、日本の文化になじんでいます。
ただ、韓国においても、その文化を築くために、
相当の年月と心情が投入されているわけです。
そのことを認識していく必要があるのだと思います。
シリーズで掲載されるとのことですが、
機会があれば、また紹介したいと思います。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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