小室先生の証し、続編です。
☆
教会が、飯田橋方面(新宿区西五軒町)に移った後の
1961年3月末から路傍伝道が始まりました。
桜井節子さん、神山裕子さんと私の三人が、
日比谷公園で路傍伝道をしたのです。
☆
桜井さんが黒板を持って「序論」の講義を始めると、
すぐに警官や日比谷公園の管理人が飛んできて、
「ここでは、やっていけません」と言うのです。
ここで引き下がれば、桜井さんが講義できなくなるので、
私は警官を相手に「警官の目的は何ですか。
罪悪世界をなくすことでしょう。
この講義は、罪悪世界をなくすための講義ですから、
邪魔をするのは警官らしくないですよ」という話をし始めたのです。
私は法律を勉強しているものですから、警察法のことまで持ち出して
警官と話をしたので、警官は講義をやめさせることができませんでした。
私と警官が話をしているので、公園を散歩している人は、
何事が起きたかと思って多くの人が集まってきました。
黒山の人だかりになったのを見て、
天はこのようにして人を集めるのかと思ったのです。
私と警官が話している間、桜井さんはずっと
「序論」の講義をすることができました。
☆
美しい花園の日比谷公園で、黒板講義による路傍伝道ができたことは感謝でした。
日比谷公園以外では、渋谷では増田さん、
池袋では松本さんと澤浦さん、新宿では西川先生が路傍伝道をしました。
☆
路傍伝道とともに、澤浦兄の発案で
「天職」と呼んでいた廃品回収が始まったのもこのころでした。
廃品回収は、両国の高橋さんという大きな廃品回収の問屋を中心に、
みんなでリヤカーを引きながらやったのです。
私はよく春日千鶴子さんと一緒に廃品回収に行きました。
両国は、坂が非常に多いのです。
リヤカーで坂を上るときには、後ろから押してもらわなければなりません。
そして上り終わると今度は下りです。
そのときいちばん大変だったのが、リヤカーを止めることでした。
上りも下りも苦労しました。
☆
いちばん感動したことは、
ほかのメンバーがどんなに実績がないときでも、
西川先生は新聞や鉄くずをリヤカーにたくさん積んで帰ってくることです。
たとえ断食中であっても、西川先生が
リヤカーに廃品を山盛りに積んで帰って来るのには感心しました。
廃品回収が終わると、両国駅の近くにある粗末な焼きそば屋に行きます。
そこで醤油がかかった一杯三十円の焼きそばを、みんなで食べるのが喜びでした。
そうして食事が終わって午後二時ごろから、それぞれが伝道に出掛けたのです。
☆
そのころ西川先生が、いつも口癖のように言われたことは、
「どんなにみんなが失敗しても万事益となる。
それは神様のためにやったことだから」と言って、
慰め励ましてくださいました。
西川先生はどんなに疲れていても、口笛を吹いて楽しそうに帰ってこられるのです。
西川先生が好きな歌が、「冷たい冬の木枯らしよ」で始まる
「嘆きを吹き飛ばせ」という聖歌でした。
その聖歌をよく歌って、私たちを励ましてくださったのです。
☆
日本の路傍伝道の出発、
そして、廃品回収を通しての万物復帰の出発は
このころに行われたのですね。。。
西川先生のみ言
「どんなにみんなが失敗しても万事益となる。
それは神様のためにやったことだから」
これは、今の私たちに通じるものでもあると思います。
何事も、果敢に実践していくことが
何よりも重要であると感じます。
不定期に続きます。
※ このブログは、
あくまでも個人において、書いているものであり、
教会本部とは一切関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、ブログの記事においては
無断転載はお断りいたします。
曲解や悪用ととれる引用も、
差し控えてくださいますよう
よろしくお願いします。
(もちろん、善なる目的で
使用することに関しては
その限りではありません)
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