松本ママの自叙伝「信仰は火と燃えて」より、
『伝道に生きる生活の始まり』の後編です。
☆
「牧師は西川(崔奉春)先生のことをサタンだと言うけれど、
神様を信ずる人をたくさんつくったから
地獄に行けと言われて行けば、そこが天国なんだ。
西川先生のあとに従って私も伝道しよう」
その一言で、私の心はピシッと決まりました。
そして、「神様に誓います。
医者は六カ月安静にしなさいと言いましたが、
私はその六カ月間を神様にささげて伝道します。
堕落性を脱ぎます。
もし私が途中で伝道をやめ、手を鋤(すき)にかけて
後ろを振り向くようなら、
私を地獄の十二丁目まで行かせてください」
と、大変な祈りをして新しい出発をしたのでした。
☆
それから小さな黒板を準備しましたが、西川先生が
最初に連れていってくれた場所は、明治神宮外苑でした。
1960年8月16日、夏休みだったので庭園には
学生や若い男女があふれていました。
西川先生は、恋をささやき合う
アベック(カップル)を見て言いました。
「ここはエデンの園を象徴しています。
あちこちで二枚舌でもって
ささやき合っている男女に、神様の証をしなさい。
40日間、あなたはやれますか」
「はい、やります。
どうしてもやらなければなりません。
先生、お祈りしてください」
西川先生は、私の手を握って祈ってくださいました。
私は、死んでも行こうと固い固い決意をして、
初めての40日の開拓伝道に出発したのでした。
☆
黒板を掛け、「神様、どうか私を助けてください」
と必死で祈りながら、アベックのそばに行きました。
そして、女性には「お嬢さん、この人はあなたを愛していませんよ。
あなたには将来もっとハンサムで金持ちの男性が現れますよ。
私は占師です」と言って興味を引き、
男性には「あなたは、一年か二年後、
白雪姫のような女性が恋人になるでしょう。
なぜ分かるか知りたければ黒板の下までいらっしゃい」
と言って集めるのです。
そして、神と人間と万物の
本来あるべき姿を語って伝道しました。
その時そこに集まった男女たちは、
まるで幼稚園の子供のように見えました。
それは、いと小さい者の口から流れる神のみ言(ことば)が、
あまりにも高く貴い真理だったからそう思ったのでしょう。
その後30日目ぐらいになると、
「ここには日本の神がいる。
こんな所でヤソの話をするな」と
迫害する人が出てきました。
けれども私は、殉教するつもりで決意していましたから、
誰が来ても何を言われても一歩も譲らず、
40日の開拓伝道をやり遂げました。
☆
そして40日目、夢の中でメシヤが私のところへ来られました。
非常に驚いた私は、何かお食事の準備をと思い、
急いで自転車に乗って八百屋に買物に行こうとした時、
メシヤは親しげなお声で、「娘よ、
ここに残っているほうれん草で十分です」
と私を止められました。
私は「はい」と頭を下げながら、
緊張と感激で固くなっている自分を感じました。
目が覚めてからも心はとても満たされ、
この不思議な夢はいったいどんな意味だろうかと、
一日中感動の波が私を包みました。
☆
結局、40日間、私は意気地のない古い自分から脱け出し、
神様との約東を守るために必死でやったのですが、
神様から見れば、私がどれだけ根気強く最後までやるかという
訓練の期間であったと思います。
また、西川先生の必死なる祈りに支えられて
歩んだ期間でもありました。
こうして日本での初穂として立たされ、
西川先生と共に伝道に生きる生活が始まったのです。
松本 道子・著
(光言社・刊『信仰は火と燃えて―松本ママ奮戦記―』より)
アプリで読む光言社書籍シリーズ
blessed life
(光言社・刊『信仰は火と燃えて―松本ママ奮戦記―』より)
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blessed life
☆
西川先生(崔奉春宣教師)が最初に
日本に来られたのが、1958年夏、
最初の礼拝が1959年10月。
日本統一教会(現:家庭連合)で一番最初に
40日間の路傍伝道をしたのが、松本ママです。
その日が、1960年8月16日(〜9月25日)、
日本の初穂が見事に実った瞬間でした。
前回もお伝えしたと思いますが、
み言も完ぺきに聞いたわけでもないし、
おそらくお父様も証しされたわけでもない、
そんな中で路傍伝道をされたということが、
本当に素晴らしいことだと思いました。
伝道するように言われた西川先生、
そのみ言を全面的に受け入れ、
そのごとくに歩んだ松本ママでした。
40日間、本当に精誠を尽くされたので、
メシヤが夢に現れたのだと思います。
その「メシヤ」というのは、誰なのか、
どのような姿で現れたのかは、
まだ証されていませんが。。。
この歩みが、のちの伝道師松本ママの
基礎を築いたのですね。
やはり、精誠の重要性、
アベルから言われたことを守っていく、
この大切さを感じます。
無謀ではあったかもしれませんが、
まさに「信仰は火と燃えて」という
松本ママの篤い姿勢が表れた
素晴らしいエピソードだと思います。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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