金元弼先生のみ言、
「ルツとナオミの物語」について
3回シリーズでお話されています。
☆
ルツとナオミの物語
異邦人の女がイスラエル民族の血統を
なぜ引き継ぐことができたのでしょうか。
イスラエルとは選ばれた民族です。
その民族の血統を異邦の民が
どのようにして受け継ぐことができたのでしょうか。
☆
皆さんは、よくアベルとカインの話をします。
たまにはアベルがアベルを生むことも
ありますけれども、カインを生むこともあります。
反対にカインがアベルを生むこともあるのです。
人間は元々アベルの立場にいたのですが、
堕落することによってカインの立場になったのです。
人間が堕落しなければ、カインという子供を生むはずがないのです。
そこで、堕落していない立場を
アベルという立場で考えてみた場合には、
アベルを生まなければならないアベルが、
カインの子供を生むようになったのです。
☆
堕落した人は、カインの立場にいるのです。
その人が蕩減という道を通じて復帰された場合には、
どんな立場に帰るのでしょうか。
復帰されたアダムというのは何ですか。
それはアベルの立場です。
つまり、カインがアベルの子を生むということになるのです。
メシヤはアベルとして人類の前に現れます。
私たちはカインの立場ですから、
アベルを通じてアベルの立場に帰りたいのです。
アベルを通じて復帰されたカインというのは、
アベルの位置に帰るのです。
☆
メシヤを受け入れた人から見れば、
まだ受け入れていない人は、カインの立場になります。
しかし、アベルの立場にある人でも、
落ちていくことがあります。
落ちていって子供を生めば、
どういう子を生むのでしょうか。
次にカインの立場にある人でも、
アベルを通して復帰されたカインとなった場合には、
アベルの立場に立つのです。
子供を生めば、アベルの子供を生むようになります。
☆
例えば、イスラエル民族をアベルの民族とすれば、
それ以外の民族は異邦の民、カインの民族となります。
神がイスラエル民族を立てた目的は、
それを通じて異邦の民族を
全部復帰しようとしたところにあるのです。
ところがイスラエル民族が神のみ旨を
損なった場合には、代わりに
第二イスラエル民族を立てなければなりません。
それがキリスト教徒です。
すると第一イスラエル民族から見ると、
キリスト教信者は全部、異邦の民族となります。
ところが、第一イスラエル民族が
使命を果たしえなかった時に、
神は異邦民族であるキリスト教信者を、
第二イスラエルとして選んだのでした。
もし、第二イスラエル民族も自分の使命を
果たしえなかったら、どういうことが起こるでしょうか。
神は第三イスラエル民族を訪ねなければならなくなります。
第二イスラエル民族を中心として見ると、
第三イスラエルは異邦の民族の関係になります。
第一イスラエル民族が、
イエス様を中心とする群れを異端視したのと同じように、
第二イスラエル民族も、
第三のメシヤを中心とする群れを
異端視するようになるのです。
☆
こういうことを念頭に置いて、
聖書を調べてみましょう。
イスラエル民族は、エジプトから解放されて後、
土師の時代に入ります。
その四〇〇年の間に起こったルツの話をしましょう。
ユダヤのベツレヘムという所に住んでいた人が、
大変な飢餓が迫ってきたので、
妻と二人の息子を連れて、モアブに行って
滞在することになりました。
その人はエリメレクといい、妻はナオミといいました。
ところがモアブに滞在中、夫は死に、
二人の息子はモアブの女を妻に迎えました。
モアブ人は異邦人です。
そのうちに二人の息子とも亡くなり、
ナオミは二人の嫁を連れ立って
ベツレヘムに帰ろうとしました(ルツ一・六)。
その途中で、ナオミは二人の嫁に話しかけました。
「お前たちは、生みの母のところに帰るように」
と勧めました。
けれども嫁たちは泣きながら、
ついていくことを約束します。
ナオミはもう一度同じことを言います。
その時に、兄の嫁は別れの接吻をして、
自分の家に帰るのですが、
弟の嫁のルツだけはついていくのです。
ナオミはさらにもう一度、
家に帰るようにとルツに勧めます。
ルツはそれをも受け入れなかったので、
彼女を連れてナオミは自分の故郷に帰りました。
☆
ナオミは非常に貧しく、食べる物も十分でなかったのです。
故郷に帰った時がちょうど収穫の時でした。
ナオミには夫の親戚で、エリメレクの一族に属する
一人の有力者がいました。ボアズといいます。
嫁のルツがナオミの許可を得て
落ち穂拾いに出掛けますが、
はからずもボアズの畑に来ていました。
それで彼女が落ち穂を拾っているところに、
ボアズが地方から帰って来て、若者の下僕たちに、
「これはだれの娘ですか」と聞きます。
ナオミの次男の嫁だと分かり、ボアズの親切で、
ルツはたくさんの落ち穂を拾い、
それをお金に換えて家に帰り、ナオミに侍りました。
☆
そんな中で、ナオミは嫁のルツに、
非常に難しいことを話します。
ルツ記三章一節から見ますと、
「収穫の夜、あなたは身を洗って
ボアズの寝る場所を見定めて、
ボアズの寝所にひそかに入ってその足元に寝なさい」
という内容があります。
女としては、これは大変難しいことですが、
ルツはナオミの言うことを絶対的に信じて、
そのとおりにしました。
それでルツがボアズの妻として
迎え入れられるようになり、
ユダの長老たちの祝福を受けて結婚します。
ルツは一人の子供を生みました。
名をオペデといいます。
オペデはダビデ王のおじいさんに当たります。
ですから、イエス様やヨセフの血統もルツから出てくるのです。
こういう話をするのは、異邦人であるルツが、
いかにしてイエス様の先祖の血統、
イスラエル民族の血統を受け継ぐことのできる
祝福を受けたのかを知るためです。
U 先生の道は我々の伝統
第七章 何よりも神のものを愛す
「ルツとナオミの物語」
信仰生活シリーズ 6
「伝統の源流 主と歩んだ教会創立以前の道」
金元弼(1998年7月1日発行)
*『信仰と生活第二集伝統の生活化』を改題
第七章 何よりも神のものを愛す
「ルツとナオミの物語」
信仰生活シリーズ 6
「伝統の源流 主と歩んだ教会創立以前の道」
金元弼(1998年7月1日発行)
*『信仰と生活第二集伝統の生活化』を改題
☆
わかりやすく読んでいただくため、
行区切りや段落等の区切りを再編集しました
さらに括弧書きで注釈を加えたり、
プライバシーに関わる部分は省略等することがあります
文責:ten1ko2
行区切りや段落等の区切りを再編集しました
さらに括弧書きで注釈を加えたり、
プライバシーに関わる部分は省略等することがあります
文責:ten1ko2
イスラエルでは、信仰を受け継いでいくのは
女性、母親だと言います。
また、イスラエルには、兄が亡くなったら(子供がない場合)
兄嫁を弟がめとる風習がありました。
ルツの夫も亡くなっていますから、
親戚であるポアズが責任を取ったわけです。
ルツは、旧約聖書で
その名をタイトルに掲げられた
たった二人の女性の一人であり(ルツ記とエステル記)、
新約聖書にもその名前があがっている
貴重な存在です。
マタイによる福音書、第一章に、
以下の記述があります。
「ボアズはルツによるオベデの父」
ルツは異邦人でありながら、
イスラエルの系譜の中で、ダビデ王が生まれ、
ヨセフが生まれるという、
重要な血統の中に存在しています。
この系図は、基本的に男性(父親)ばかりですが、
女性(母親)の名前が少しでています。
今、紹介したルツをはじめとして、
タマル、ラハブ、ウリヤの妻
そして、マリヤ。
イエス様を誕生させる背景において、
鍵を握っているのが、この女性たちです。
御父様は、おそらく、このことも含めて、
堕落論を解明され、
復帰の奥義を解明されたのだと思います。
神様は、この系図を残されたのですし、
この意図がわかる人こそ、
メシヤ以外の何者でもない、
ということなのです。
問題は、異邦人であったとしても、
血統を残していく、という信仰、
生命を超えて、血統を守る信仰、
そこに天の祝福があったのでしょう。
今、真のお母様が天の独り娘、
独生女として、立たれています。
その奇跡の時に、私たちはともに生きて、
ともにみ旨を歩んでいる、ということに、
改めて感謝したいと思います。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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