橘幸世さんによるエッセー
「続・夫婦愛を育む」をお届けします。
今回は、『プレッシャーから逃げたくて』です。
☆
「監督が怒ってはいけない大会」
――いつだったか、そんな名前の大会の様子が
テレビで取り上げられていました。
正式名称は「益子直美カップ
小学生バレーボール大会」。
益子さんの知人が企画し、2015年に始まりました。
知人の申し出を受けるに際して決めた特別ルールが、
大会中、監督・コーチが選手を決して怒らないこと。
試合の現場で指導者が怒りたい衝動を抑えて、
褒めるなどのポジティブな声かけを心掛け、
叱らない指導を実践・体験してほしいとの願いからです。
その放送を見た時は、時代の変遷を感じた程度で
あまり深く考えませんでしたが、その根底には、
益子さん自身の選手時代の経験がありました。
☆
7月25日放送のEテレ「知恵泉」では、
江戸時代の蘭学者、高野長英が取り上げられました。
そこにゲスト出演していた一人が
バレーボール元日本代表、益子直美さん。
高校生で日本代表に選ばれ、アタッカーとして活躍。
その外見からも人気を博しました。
高野長英の生きざまを切り取り番組が掲げたフレーズは、
「逃げるならたくましく逃げろ」。
番組MCが益子さんに、逃げた経験ついて尋ねると、
意外な答えが返ってきました。
☆
現役時代、(たくましいどころか)
「こそこそ逃げてきた」というのです。
続けてこう語りました。
選手時代の自分は、人に言われたとおりに動いていた。
他人の目がすごく気になって、
自分の意見は言えない環境でやっていた。
実業団時代はバレーボールを楽しめず、
早く引退したいと思っていたが、
日本代表に選ばれるなどして、
なかなか辞めさせてもらえなかった。
エースとしてスパイクを打たないといけない。
それが怖すぎた。
「自分のせいで日本が負けたら…」と思うと
怖くなって、そのプレッシャーから逃げたくなった。
スパイクを打ちたくない、もう無理だとなって、
首を覚悟でセッターに
「自分にトスを上げないでほしい」と頼んだ。
てっきりすごく怒られると思っていたが、
セッターは「分かった」と受け入れてくれた。
それで二人だけのサイン、
「トスを上げないでサイン」を決めた。
結局、そのサインを使うことは
一度もなかった。
逃げたい気持ちを受け入れてもらったことで、
楽になった。
受け入れてくれた人がいたことで
安心して、逃げなくなった。
☆
プレッシャーで押しつぶされそうになった彼女が、
勇気を出して打ち明けられたこと。
打ち明けられた側が、彼女の思いを否定せず、
受け止めたこと。
その二つが合わさって、
彼女は前に進むことができました。
人生のさまざまな局面で、私たちが
いずれの側に立ったとしても、
益子さんやセッターのかたのような
行動を取れればと願います。
現在彼女は、日本スポーツ少年団の
本部長の任にあり、自分が弱かったからこそ
務められるポジションと捉えています。
子供たちには、「逃げてもいいんだよ」
「嫌いになる前にやめなさい」
「またいつでも戻るチャンスは来る」と伝えたいそうです。
逃げなくてもいいような環境を
つくりたいと願いながら。
続・夫婦愛を育む 10
プレッシャーから逃げたくて
ナビゲーター:橘 幸世
Blessed Life
プレッシャーから逃げたくて
ナビゲーター:橘 幸世
Blessed Life
☆
再編集 文責:ten1ko2
バレーボール元日本代表益子直美さん、
そんなプレッシャーがあったんですね。。。
指導者というのは、部下がミスをしたとき、
叱るのが当たり前、という風潮がありました。
しかし、ミスは本人が一番よくわかっているはずです。
そんな中で、益子さんが主催されるバレーボール大会は、
選手を怒らないことをモットーにしているとのこと。
そんな大会があるのだな、と思いました。
おそらく子供たちはのびのびとプレーしていて、
上達しているんじゃないかな、と思います。
ところで、今、私の所属する教会では、
教会長ご指導の元で、『43とも訓読会』をしています。
チーム一人一人の感想に対して、
ただひたすら褒める、賛美するのです。
人の感想を褒めることは、そう簡単なことではないですね。
しかし、参加している婦人たちの中で、
これを家庭で実践して、ご主人との関係が良くなった、
と証しをしていました。
プレッシャーに負けない強い心を持つことも、
自分の弱い心を受け止めてくれる
そんな環境が必要なのだな、と思いました。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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