2023年10月05日

ご子女様を感動させた質問の答えとは?! 《神明先生*UTS時代の神体験》



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神明先生のエッセイ、今回は、
「あるご子女様との対話:
悪をどのように解決するのか?」です。


あるご子女様が1994年の春学期に
UTSに入学されたときのことでした。
それは私が総長になる直前でした。

その日は、そのご子女様は私の「キリスト教組織神学」の授業を
受けられた後、教室から出た私を呼び止めて、
次のように言ってこられました。

「あなたは神学者でしょう。
だから、この質問に答えてほしい。
私たちが不十分な人間なので、
私たちの組織の中にさえ悪が起こっているようであるが、
それをどのように解決したらいいですか」

この問題について相当深刻に考えておられたらしく、
真剣なお顔でした。

私もこの問題については自分なりに考えてきたので、
具体的にどのような悪を指しておられるのかを
訊かずとも、すぐにその意味が分かりました。

神学においては、道徳的悪 (moral evil) と自然的悪 (natural evil) の
二種類の悪を考えるのですが、
そのご子女様は、地震やハリケーンなどの自然的悪のほうではなく、
利己主義や権威主義、傲慢、汚職などの
道徳的悪のほうを心配しておられたのです。

それで、私はご子女様の顔を見詰めながら、
泣きそうになってしまいました。

そして、答えをしっかりと書いてさしあげることを約束して、
そこでは別れました。

週末に家に帰ってから、タイプライターに向かって書き始めましたが、
この問題に対する思いが高まり、
神様の臨在を感じつつ、次のように書きました。


「悪をなくす最良の方法は、その悪を行う人を憎まずに
愛をもって接してあげ、その人の所に赴いて、
その悪をあたかも自分自身の悪だと思って背負ってあげ、
責任を持って解決の努力をすることです。

その犠牲的な行為には神様も必ず感動されて、
神様の愛の力が無限に働くようになり、
もはや、この地上では誰もその神様の干渉を
食い止めることができないようになります。

そのようにして悪がなくなり、
その悪を行った人までも変わって行くようになります」


次の週の月曜日にUTSに出勤したときに、
その書いた答えをご子女様に手渡しました。

それを読まれたご子女様はいたく感動されたらしく、
「私はこのような答を今まで聞いたことがなかった。
でも実はこのような答えを知りたかったのだ」
と言われました。


キリスト教でも、今まで悪とは何かという定義は
それなりにされましたが、
悪は消えずに依然として存在する、
という新たな問題にぶつかっていました。

ところが、1970年代頃からようすが変わってきて、
実際に悪をなくすには、その悪の現場に赴いて
責任を持ってそれを背負うという
新しいアプローチが提案されるようになったのです。

それは 「実践的神義論」(practical theodicy) と呼ばれています。
例えば英国の神学者ケネス・スリンによる
『神学と悪の問題』(Theology and the Problem of Evil)という本がそうです。
その本を見つけたとき、私は跳び上がって喜んだものでした。


話を元に戻しますと、そのご子女様は
イーストガーデンにその週末に帰られて、
私との対話の内容を真のお父様に興奮しながら報告し、
私の名前をしきりにお父様に向かって
口にしておられたとのことです。

それが、私がUTS次期総長になるように
お父様が推薦される一つのきっかけになった、
と金孝律先生から後で聞きました。

ドクター神明の信仰エッセー:UTS時代の神体験
神明忠昭


神明先生の真摯な信仰と
純粋で温かい心情が、
ご子女様に通じ
それが、真の父母様の耳にまで届き、
この後、UTSの総長になられたわけです。

このようにして悪がなくなっていくと、
断言された神明先生ですが、
これはいつも、学生や教授たちに対しても
そのように実行しておられたからこその
実感のこもった言葉だったことでしょう。

このようにあきらめない姿勢は、
真の父母様の信条にも通じるものがあると思います。

「たとえ だまされたとしても 信じなければなりません。
 たとえ 裏切られたとしても 赦さなければなりません。
 憎む者までも ことごとく愛してください。
 涙を拭いて 微笑みで迎えてください……」

お父様の詩、「栄光の王冠」を思い起こした
今日の証しでした。
神明先生、ありがとうございました。




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posted by ten1ko2 at 08:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 霊界 霊人と共に歩む生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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