金元弼(ウォンピル)先生のみ言。
今回は、「大同保安署へ連行される」前半、
「聖主教と腹中教」の続きのお話です。
☆
先生が四六年に北に来られてから、約四、五か月たった時に、
毎日のごとく礼拝や集会をもたれ、朝早くから
夜遅くまで涙に満ち、霊的雰囲気が高まっていました。
それで静かではなかったのです。
村の人たちは、この集団はどういう人たちが集まって、
何をしているんだろうと相当気を付けて見ていました。
先生は南から北に来られた時に、
身分証明書も何も持っていなかったので、
村の人たちは、李承晩大統領が外形は牧師という
かたちで密使として送ってきたのだという疑いをもち、
四六年八月十一日、先生は保安署(警察署)に
連行されるようになりました。
☆
先生が連行された大同署では、
先ほどお話ししました腹中教の幹部の人たちが
全員連行されていて、調査を受けているその時でした。
その幹部たちは、神の啓示にあったごとく、
全員が教会に集まっていて、その所へ警察の幹部がやってきて、
その人たちを警察に連行したのです。
その時は、共産党が主権を握っていたのですが。
「自分たちを迎える」というのですから、彼らは、
再臨の主が来て自分たちを迎える、と解釈していました。
ところが、共産党の官吏が彼らを迎えて、
警察に連行したわけです。(腹中教幹部拘禁事件)
☆
その人たちがなぜ投獄されるようになったかといいますと、
彼らは自分の家財を全部売って、ただひたすらに
メシヤを迎え入れるためにすべてのものを準備したのです。
ところが共産党は、それを逆にとらえて、
集団の責任者が何も分からない人をだまして財産を全部奪い取り、
また信徒のお金をだまして全部自分のものにした
という口実をつけて、全員を投獄したわけです。
共産党というのは、地主や資本家が貧しい農民や
労働者を搾取することに対して非常な敵意をもち、
それでもって大衆を団結させるのです。
ですから、宗教の宗主が何も分からない人たちを
だましてお金を着服したという理由で捕らえたのです。
☆
彼らは、もう一つ大きな調査を受けました。
イエス様が腹中教の責任者に現れて啓示する時には、
おなかに子供がいて動くような、
そういう兆候が必ずあるはずです。
信徒はそれを信じていました。
調査官はいくら調べても着服した事実がないので、
その口実を今度はそこへ向けて、
「おなかを通じて神の啓示があるということを
否定するならば、全員釈放してあげよう」
という二者択一を迫ったのです。
彼らは、長年の間そういうことを
絶対的に信じていました。
それを否定しなさいということですから、
それは死ぬことと同じです。
そこで、女の人を連れ出して、戦争中に
日本車が韓国人を拷問したのと同じような形で、
ひどい拷問を始めました。
その女の人は白い着物を着ていましたけれども、
その白い着物に穴がポンポンポンと全部あくほどに
あまりにも殴られたので、
死んでしまうという悲惨なことが起こりました。
そのように拷問をされながらも、
絶対に信仰を曲げなかったということです。
☆
先生は、腹中教の幹部の人たちが
収監されていた部屋に入れられました。
先生が入ると、その部屋にいた腹中教の幹部の一人(黄元信)は、
誰なのか分からないけれども先生に非常に心が引かれて、
自分たちの集団の歴史のすべてと
自分の心のすべてを先生にお話ししました。
先生は幹部の人の話をずーっと聞かれて、
非常に哀れみながら、その人に
なぜそういうことが啓示されたのかということを
原理的に教えてあげながら「あなたは、まずそれを
否定して出て行くようにしなさい」と教えました。
そこで彼は先生のみ言どおりに否定して
牢屋から出て行くことができました。
しかし、牢屋にいる時の拷問があまりにも激しかったので、
彼は後に死んでしまいました。
☆
大同保安署での事件はよく知っているつもりでした。
腹中教の教祖である許孝彬氏が
お父様を受け入れるかどうか、
歴史をかけた出来事だったといいます。
その内容に関して、幹部の黄元信は、
「お父様の言うことを聞かなかった」
という認識を持っていましたが、
この元弼先生の証しを読むと違っていました。
お父様の言うことに従い、
啓示は嘘だった、と言って、
牢屋から出られたとのこと。。。
実は、そのあとの内容も
今まで認識していたものと
少し違っていました。
いずれにしても、壮絶な状況だったと思います。
続きは、20世紀の春香が、主の花嫁になれたのか、
結論のエピソードとなります。
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