新潟の大教会長(2世)が、
シンポジウムで語られたメッセージ
「霊性の地・新潟から信教の自由を叫ぶ」
を紹介します。
☆
私の立場は「信教2世」
安倍晋三元首相の銃撃事件から二年がたちました。
この間、各メディアは、宗教二世問題を
社会問題として取り上げてきました。
「宗教二世」という言葉は、家庭連合を
バッシングするための“キーワード”
としても使われてきました。
「親が高額献金を捧げることを通して、
不遇な家庭環境の中で育ってきた」
「親から信仰を強要されて宗教的な虐待を受けてきた」
などと、さまざまな声が飛び交ってきたのです。
☆
宗教二世、きょうは、この言葉を使わないでおきます。
私の立場は「信教二世」です。
それは、親から信仰を継承したことを喜びとし、
自らの意思で、この道、信仰を育む道を
喜んで歩む者を指します。
家庭運合に信教二世は、たくさんいます。
☆
■教会の教えと現実のギャップ
きょうは信二世の一人として、
きょうは信教二世の一人として、
皆様に心を開き、私の人生の一端を
お伝えしたいと思います。
私が親からどのようにして信仰を継承し、
育んできたのか、その人生の
一ページを皆様と分かち合いたいのです。
中高生のとき、反抗期真っ盛りだった私は、
親の信仰にあらがうように反発していました。
「宗教」という言葉が嫌いでした。
神の存在は信じていませんでした。
親の存在を、うっとうしく感じていました。
そんな私の身の周りで数々の出来事がありました。
友人たちがいじめを受ける。
自殺する者がいる。
酒やたばこに心が流れ、
現実から逃避しようとしている......。
☆
そして、集団暴行事件が起こりました。
私が中学2年のときです。
1学年上の先輩が、高校生たちに呼び出されて
深夜のグラウンドで集団暴行を受け、
病院に搬送されました。
先輩はそのまま命を落としました。
つまり、私の学校で殺人事件が起きたのです。
亡くなった先輩は、私がよく知る、近しい先輩でした。
身近な人が命を落としていくという現実を
目の当たりにしたときに、
私の心の中に陰りが生じました。
☆
教会に行けば貴い教えを聞くことができます。
神は存在している。
人のために生きることは素晴らしい。
あなたたちは神様の子供である・・・・・・?
もう、たくさん聞きました。
しかし、目の前にあるのは悲惨な現実。
教会で聞く教えと現実の間に
あまりにも大きなギャップがありました。
私は苦しかったです。
心のうちを誰に打ち明けて相談すればいいか
分かりませんでした。
心の苦しさを自らの中で押し殺しながら
必死に耐える日々を過ごしたのです。
☆
大学に進むとき、私は一つの決心をしました。
“親と縁を切り、信仰を捨てよう”
信仰を持っていても目の前の現実は変わらない。
むしろ信仰を持つことで制約されることが多々ある。
親から、正論のようなこと、教えを押しつけられる。
そんなうんざりする日々を思い返しながら、
私は、"このまま親と縁を切り、信仰も全て捨てて
自分なりの人生を歩んでいこう”という思いに
身を任せていました。
☆
そんな私に、人生の転機が訪れることになります。
大学に進んだとき、同じ大学に通う
教会の先輩との出会いがありました。
お兄さん(先輩)は私に、「話をしよう。
権龍(けんりゅう)の人生を聞かせてほしい」
と語りかけました。
私は自らの人生について語り始めました。
身の周りで亡くなった人がいる。
私も非行に走ってきた。
親をたくさん裏切ってきた。
苦しいことがいっぱいあった。
でも、誰も相談に乗ってくれる人はいなかった。
心を打ち明け、とうとうと話していると、
目の前で一滴三滴としずくが落ちました。
☆
お兄さんが泣いていたのです。
「苦しかったね。つらかったね。
よく耐えてきたね・・・・・・」
と言いながら涙を流していました。
私は驚きました。
“何で泣いているんだろう。他人なのに"
と私はお兄さんに
「何で泣いているんですか?」と尋ねました。
すると、「権龍は弟じゃないか。
弟が苦しんでいたら、その思いを
分かち合うのが兄弟じゃないか」と返ってきました。
お兄さんの温かい心に触れて、
凍りついていた私の心に
わずかに愛が届く感覚がありました。
☆
お兄さんは、このように語りました。
「自分も、なんちゃって二世だったよ。
信仰を持ってるふりをしてきた」
「自分も、信仰をやめようと思ってきた。
でも権龍、神様っているんだよ。
神様に出会えば、人生変わるんだよ」
「信仰をやめるかやめないかは置いておいて、
神様がいるかどうかだけは確かめてみよう」
☆
■「神様、苦しかったです」
そんな先輩の言葉に背中を押され、
私は、教会で主催された研修会に参加することになりました。
それは、教義を学びながら、
さまざまな実践をして自分の心を育み、
っていく場でした。
私は、この研修会でつかむものがなければ、
全て捨てて本当に親と縁を切ろう、
こんな思いで参加しました。
実は、信仰を捨てよう、親と縁を切ろう
と思いながら、受験勉強を一生懸命
頑張っていたのは、この会場の五階でした。
天の計らいなのか、きょうはその六階で、
信教の自由を守るための講演をしています。
☆
私には、ずっと疑問に思ってきたことがありました。
“親はなぜ、メディアからバッシングされ、
ネットを開けば誹謗中傷の中にある、
この統一教会の信仰を持っているのだろうか。
親は何か、間違ってきたんじゃないか。
神様なんて本当にいるのか私は、
その答えを研修会で必死に求めてみました。
☆
山に登り、頂上でお祈りをするという
チャレンジがありました。
そのとき、司会が「人生を振り返りながら
祈ってみてください」と言いました。
私は、人生を振り返りたくなかったです。
苦しいことや思い出したくないことが
いっぱいありました。
その登山で、私は神様に出会うこととなりました。
人生を振り返り、手を合わせて祈ろうとしたとき、
私の口から最初に出てきた言葉は、
「神様、苦しかったです」でした。
私はそれまで、自分が苦しかった
ということを認めずに生きてきました。
必死で心にふたをし、
感情を表に出さないようにしてきました。
それが、ありのままの思いを
神様に伝えようとして出てきた言葉は、
「神機、苦しかったです」だったのです。
その一言を言った瞬間、目から大粒の涙があふれ、
滝のように流れました。
信教の自由と人権を守るシンポジウム 新潟県民集会(7.20)
影山権龍 孝情礼拝
「霊性の地・新潟から信教の自由を叫ぶ」
世界家庭11月号
影山権龍 孝情礼拝
「霊性の地・新潟から信教の自由を叫ぶ」
世界家庭11月号
☆
再編集 文責:ten1ko2
生まれてから、二世という立場で
最初から行くべき道を与えられる、というのは、
(うちの子供もそうですが)宿命を受け入れられればいいですが、
実際には、簡単ではない気がします。
この大教会長も、様々な葛藤の中にありましたが、
それを乗り越えることができたのは、
兄と慕う教会の先輩の一言でした。
この時、大学生の大教会長を
立ち上がらせるきっかけになった、
この一人の兄弟の姿に、
驚きと感動を覚えます。
続きます。
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※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
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