松本ママの「信仰は火と燃えて」
今回は、『神戸の種火』です。
大阪では、クリスチャンセンターにおいても
すでに多くの否定を経験していた
松本ママですが──
☆
またある日のことです。
河津さんと一緒に、いつものように路傍伝道をしていると、
クリスチャンセンターにたくさんの牧師夫人が集まって
集会をしている、という情報が入りました。
私は、これはチャンスだ、とピンとひらめくものがあったので、
河津さんを先に帰し、
その牧師夫人の集会に参加することにしたのです。
けれども、このままの格好ではとても行くことはできません。
そこで急いで近くのデパートに、洋服を買いに行きました。
並んでいる服を見るとどれも4、5000円近い値段がついています。
ところが、私の手元には2500円しかお金がないのです。
しかしなんとかしなければならないので、
そこの責任者に会って話をしてみました。
「私はいつも駅の前で路傍伝道をしている伝道師ですが、
実は急遽(きゅうきょ)行かねばならない所がありまして、
あの服を着て行きたいのですが、今手元には2500円しかありません。
残りはきょうの夕方かあす必ず持ってきますから、
ちょっと貸していただけませんでしょうか」
デパートで服を貸してくれるはずがないとは思いましたが、
無理を承知で、当たって砕けろとばかりにぶつかってみたのです。
すると即座に「いいでしょう。
あなたのことはよく知っています」という返事が返ってきました。
とても意外なことだったので、天にも昇る気持ちで感謝して、
さっそく着替え、顔を洗って、髪をとかし、
ちょっと口紅をつけて出掛けて行きました。
☆
クリスチャンセンターに着くと、約100人ぐらいの婦人が集まっていて、
平和運動をしている野々宮さんという婦人が、
東南アジアを旅行した時の話をしているところでした。
彼女は「仏教はいろいろな派を越えて、
みんな和合統一する方向へ行っているのに、
キリスト教はいつも分裂ばかりしていて、
これは本当に嘆かわしい」ということを言っているのです。
私は「そうだ」と言って拍手をしました。
その時、私の方を見て“なんだあの女、ここにも来たのか”
という顔をする人もいましたが、
話を真剣に聴いている人は一緒に拍手していました。
私は拍手をしながら、
「そうです。先生の話はもっともです。
キリスト教は今や統一されなければならない、
宗教が一つにならなければならない時が来ていると思います。
先生は本当に素晴しいことをおっしゃってくださいました。
ありがとうございます」と言って、
野々宮さんのそばに行って握手を求めたのです。
☆
そんな私の態度を見て、つかつかと
私のそばに寄ってきた婦人がいました。
神戸の教会から来ている山路美知子さんという人で、
お互いに自己紹介をし、名刺をもらって、
またいつか改めて会うことを約束して別れました。
☆
この山路さんと会ったことが、
その日の大きな収穫だったのです。
何日かしてから電話をしてみると、すぐ来てください
と言うので、さっそく出掛けて行きました。
そして、その日は一日山路さんと神様の話をして、
最後に「『統一原理』を聴いてください」とお願いし、
序論だけを話して帰ってきました。
ところが、山路さんはその序論だけで心が満たされ、
すぐにも全部聴きたいと言い出したのです。
私は大阪から神戸まで、講義に通うことになりました。
松本 道子(1916〜2003)・著(光言社・刊
『信仰は火と燃えて―松本ママ奮戦記―』より)
信仰は火と燃えて 12
神戸の種火
(blessed lifeより)
『信仰は火と燃えて―松本ママ奮戦記―』より)
信仰は火と燃えて 12
神戸の種火
(blessed lifeより)
☆
松本ママの実践力は本当に素晴らしいですね。。。
時には落ち込むことがあっても、
すぐに翻って、また前に突き進んでいく。。。
これだけの突破力があれば、
恐れるものはないといえますね。
デパートで服を買うのではなく、
借りるというのも、松本ママならではのことですね(笑)
『ひらめき』というのは、
神様と善霊が働かれるものだと思います。
霊的に敏感になっていきながら、
また、松本ママの実践力を相続しなければと思います。
※ このブログは、
あくまでも個人の意志に基づいて、書いているものであり、
教会本部の意向とは直接関係がありません。
過去においても、今後においても
全ての責任は私自身に帰属するものであります。
さらに、当ブログの記事に対して
曲解や悪用ととれる引用、
無断転載はお断りいたします。
(善なる目的で使用することに関しては
その限りではありません)
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